人の数だけ物語がある。
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Weekly Interview

人の数だけ物語があります。本欄では、月3回、インタビュー形式でさまざまな物語を紹介します。

Interview Blog Vol.17

世の中を変えるためには、お金の流れを変えていくこと。

四季リサーチ株式会社代表 渡部清二さん

2017.09.04

 日本株を推奨する四季リサーチ株式会社の代表を務める渡部清二さんは、『会社四季報』を完全読破する男として知られている。「四季報」読破も20年目となり、79冊に及ぶ。

 

日本が良くなるために、自分ができることをしたい。

なぜ『会社四季報』を読もうと思ったのですか。

 野村證券時代に先輩から「四季報を全部読んでこい」と言われたことがきっかけです。

 大学生の頃は思い出したくもないくらいのダメな時代で、それを引きずるように会社に入ってからも出来の悪い社員だったんです。先輩からそう言われた当時もかなり切羽詰まった状況だったので、一念発起してとにかく読むしかないと腹をくくって読みました。

 最初は「この人は何を言ってるんだ」と思いましたよ。そもそも「四季報」は上場銘柄を調べる辞書であって読み物じゃないと思っていましたから。業界の人間でさえそう思っているのですから、世の中の大半はそう思っているでしょう。

 ところが、読み始めると意外にもおもしろかった。知っているようで知らなかった企業の歴史や現状、今後の動向などを知っていくのがとても楽しかった。読み終えると日本経済の流れが見えてきました。それを何度か繰り返すうちに意識がガラッと変わりましたね。

どのように変わったのですか。

 まず、世の中を見る目が変わりました。たとえば、街なかにあるマンホールの蓋は上場会社の〇〇だとか、好物のみやげ屋の親会社は違う県にあるとか、そういう今まで気にも留めなかったところに意識が向くようになりました。当たり前のことですが、日常の至る所に日本企業の痕跡があります。それがわかると、今度は「四季報」から得た情報と照らしあわせて、自分なりに良いと思う会社が目につくようになってくる。

 実際に投資していなくても、自分が良いと思った会社の株価が上がると、ゲームに勝ったような気持ちになります。

もともと日本びいきだったのですか。

 いえ、そうではありません。今でこそ日本株を推奨していますが、どちらかというと、以前は西洋かぶれしていたところがありまして、日本企業はもちろん、日本のこともあまりよく知りませんでした。

 ところが、酒の席でたまたま飲んでいた外国産のワインを見て、「あれ? なんで日本人なのに外国産のワインを飲んでいるんだろう」と思ったんです。「これはおかしいだろう」と。日本にいるのにわざわざ外国産のものにお金を使って、他国を豊かにしてどうするんだと。

国産のものが高いからといって安い外国産のものを買っていたら本末転倒ですよね。ますます国産のものが売れなくなって生産者は少なくなり、さらに国産のものが高くなります。

 それが今の日本の現状なんです。私も以前は積極的に外国株を販売していましたし、株を販売して儲けることが証券マンの役割だと思っていました。でも、それは間違いだったと、「四季報」を読み始めてから気づきました。

 本来、投資というのは儲けることが目的ではありません。たとえて言うなら、我が子を育てるのと同じです。子供を育てるのに、見返りなど求めませんよね。ただただ我が子の成長を願うという気持ちで、投資も考えてほしいのです。

2014年に四季リサーチ株式会社を、2016年からはトルコ人のアナリスト、エミン・ユルマズさんと複眼経済観測所株式会社を立ち上げ、これまでとは違った角度で株式投資や運用の情報提供をされています。

 四季報を使った企業分析など、他ではまず見られないでしょう。それが複眼経済観測所の特徴であり、強みです。現在は複眼経済塾で「四季報」を使ったワークショップなども行っています。

 実は、「四季報」を読めと言われたとき、それと同時に日経新聞を読むことと指標ノートを作るようにと言われました。それも20年間続けています。

「四季報」と経済新聞と指標ノート、この3つを私は「投資の三種の神器」と読んでいます。王道の投資というのは、企業に資金を投じることで、その企業の活動を応援し、活動の成功の結果として出資に応じた配当や株主価値の向上を通じてリターンを得るという経済の基本的・基礎的な活動の一環です。「投資の三種の神器」を使いこなすことで、経済活動の正しい循環を作ることができるということです。

そう言えば、渡部さんは神社マニアだそうですね。神社検定2級を持っていると聞きました。

 はい。それも「四季報」を読むようになってからのことです。日本の成り立ちに興味を持つようになり、日本の歴史を調べているうちに、自分のルーツが知りたくなって遠縁の親類を訪ね歩いたこともあります。野村證券を辞めたあとの一年間は、そうやって古代の日本まで遡って古神道のことを勉強したり、地方の神社をめぐったりして家族旅行を楽しんでいました。会社勤めをしていたときは、かなりハードな毎日を送っていましたから、まだ小さかった息子との時間がたくさんできてよかったです。

 当時は、早朝に近くの神社に参拝することと太陽を直視することが日課でした。今もやっていますよ。歴史ある神社をめぐったり各地を旅したあの一年が、今の仕事にも生かされています。

 

 

四季リサーチ株式会社

http://www.shiki-research.co.jp/

複眼経済観測所

https://www.millioneyes.jp

 

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