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教える教師と語る教師は意味がちがいます

松居直

 児童文学家の松居直氏の言葉である。福音館書店編集部で創作絵本の出版に尽力し、数多くの作家を育てあげた松居氏は、現代の子供たちに欠けているのは言葉の体験だと言い、その理由のひとつに、語れない大人が増えすぎているからだと指摘する。

 

 幼い頃からテレビなどの映像に見慣れている若者たちは、耳だけで言葉を受け止めることが苦手なようだ。映像と言葉がセットでなければ理解できないため、想像力を働かせて言葉を操ることがなかなかできない。

 だからだろうか、スピーチやプレゼン、面接といった語らねばならないときにうまく語れないのは。

 

 大人が子供に読んで聞かせる絵本や童話は、生の声から伝わる感情や抑揚によって物語の世界が動き出す。

 子供たちはそうやって想像の世界で遊び、やがて自ら語りはじめる。

 

 松居氏はこう続ける。

「今は文字を読む技術だけ教えるのです。だから読書ができない子供が多い」

 

 授業がおもしろいといって人気のある先生は、教科書どうりの授業はしない。

 横道にそれ、自らの体験談や雑学をはじめ、お伽話、民話、伝説、歴史のドラマを物語る。

 

 そう。

 子供たちは、教えられるより聴きたいのだ。大人が語る、物語を。

 

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