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ココロバエ

リズムを作るということ

2021.04.27

 今年もやわらかな緑の風薫る季節になった。ちょうど去年の今頃はマスクを強いられて間もない頃で、人を避けながら恐る恐る早朝に近くの野鳥公園まで散歩に出かけていたものだ。
 それが今となってはマスク姿が常になり、巣ごもり生活にも慣れて、朝早くに散歩に出かけることも少なくなった。代わりに、目覚めのヨガ体操と瞑想が日常化している。(散歩はもっぱら夕方、買い物のついでに行くことが多い)
 それまではなんとなく仕事の合間や家事の合間にやっていたのだけれど、巣ごもり生活がじわじわと長引きはじめてから、これはもうきちんと時間を決めてやったほうが生活も整うだろうということで、昨年の夏の終わり頃から朝の決まった時間をそれにあてている。
 午前6時間半から7時までの30分間。その後は、いつもどおりルーティンの一日がはじまる。
 

 自由業は時間に制約がない分、放っておけばダラダラと無為に過ごしかねない。といって誰に文句を言われることもないから、好きなことをして、好きなように過ごそうと思えばできないわけでもない。ただし、そのしわ寄せは後になって自分を苦しめることになるのだけれど。
 だから1日の時間配分は自分で決めなければならない。自由というのは、そういうことだ。
 コロナ禍によって嫌が応にも自由を手に入れた人のなかには、おそらく降って湧いた時間に戸惑っている人もいるだろう。かつてのわたしもそうだったから、その気持ちはよくわかる。

 

 1日の持ち時間が24時間というのは誰もが同じだが、それをどうやって使うかは人によってそれぞれちがう。こうでなければという答えはない。答えがない分、むずかしい課題でもある。
 わたし自身のことで言うなら、今もってその課題に挑み続けている、という感じだろうか。仕事の時間、家事の時間、食事、運動、休息、睡眠と、それぞれの時間を自分なりに工夫しながら、状況に応じて変化させつつその時々のベスト、総合的にはベターな時間配分になるよう努めている。

 が、外部の変化や自分自身の心身の変化によってリズムが狂うことはよくあることだ。
 だからといって、せっかく築いたリズムを大崩れさせてしまっては元も子もない。そういうときわたしは、1日単位で見るのではなく、数日、1週間、1ヶ月と、時間配分を広げるようにしている。つまり、修正する期間を設けているのだ。
 たとえば、ダイエットをするぞ! と意気込んで数日がんばったけれど、気がゆるんだ1日の暴飲暴食でリバウンドしてしまい、その後もがたがたと総崩れでダイエットに失敗、という話はよくあることだが、そういう場合の対策として、体重の増減に幅を設け、1週間で元の体重に戻せばいいとすれば、自己嫌悪も少なくてすむ。 
 

 あれと同じように、時間配分も崩れた原因の大きさによって修正期間の幅を設けてみてはどうだろうと、試しにやってみたら、これがなかなかよかった。「言い訳大王」のわたしにも、これなら自分の言い訳に耳が貸せるし、耳を貸しつつ、「そろそろヤバいんじゃない?」なんて警告も出せる。

 
 人によっては「そんなんじゃダメだ!」と青筋立てる人もいるかもしれないけれど、わたしにはこれくらいがちょうどいい。だって、ニンゲンだもの。ダメなときもある。

「なんとなく」続けてきた習慣は、そうやって数十年も継続できた。要は、転んでもまた起き上がればいいだけの話だ。
 
 そんなこんなで、構築と修正を繰り返しながら、なんとか生活も整ってきた。
 と思っていたら、この4月、わが家に大きな変化があった。大学を卒業し、就職した息子が家を出て一人暮らしを始め、高校卒業後、新聞奨学生として家を出ていた娘が専門学校を終えて戻ってきた。
 同居人の入れ替わりは、こんなにも生活のリズムを変えるものかと、つくづく人ひとりの存在の大きさにびっくりしている。
 
 だって、家の香りまで変えてしまったのだから。
 それまでのじめっとした男子特有の体臭を一掃するかのように、フローラル系の甘い香りがそこかしこに漂っている。まるで春風が花の香りを運んできたのかと思うほどに。
 わが子とはいえ、男と女では性格はもちろん、価値観や趣味嗜好も当然ながら同じではない。息子とちがって、娘は同性だけに意見も辛辣だ。これまでのような感覚で接していたら、ぶつかることも増えるだろう。
 お互いに変えなければいけないところは変え、理解し合わねばならないところは話し合って折り合いをつけていかなければ。
 そうやってまた、新しいリズムを作っていくのかと思うと、しんどいなあと思う反面、それはそれで新しい発見もありそうだから、まあいいいか、とも思う。
 今日のベストが明日のベストにつながらなくても、明日は明日の風が吹くのだし。
 風薫る季節だもの。しばし、新しい風のゆくえを眺めてみようと思う。
 
 

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