しのの歌
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手を洗うときは誰もが手だけ見るとしればさみしい水道の列


 体育の後の水道の列は、一日で3番目くらいに騒がしい。グラウンドの暑さや授業時間の長さに文句を言いながら、大体はふざけ合って過ごした。順番が回ってくると会話は自然と止まって、皆手だけを見つめて、手を洗うことだけをする。

 さっきまで騒がしかった一列。さっきまでお互いを見つめていた一列。さびかけの蛇口はときどき変な方向に水を吹いて、わたしたちを前腕ごと濡らそうとする。

 本当はグラウンド、そんなに暑く思わなかった。前の子が蛇口を閉めて振り向いて、なぜだかふっとさみしくなる。

Profile

三海 詩野

三海 詩野

(みうみ しの)

2001年10月2日生まれ。北関東出身。
全国高校生短歌大会(短歌甲子園)、2017・2018年団体戦2連覇ほか、高校3年間で計7つの全国1位を受賞。
好きな食べ物は葡萄とサバとパンケーキ。将来の夢は自分の歌集を出すこと、葡萄畑の麓に家を建てること。

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