文筆ウーマンの子育て奮闘記
HOME > Chinoma > 文筆ウーマンの子育て奮闘記 > 「ブラックな組織」は本当? PTA問題

「ブラックな組織」は本当? PTA問題

2019.07.07

Episode 10

 

7月に入りましたが、まだまだ湿気の多い毎日が続きます。

次男坊の通う幼稚園では風疹が発生し、子供たちが楽しみにしていた七夕のイベントが延期に。

わが子は風邪で四日間、幼稚園をお休みしました。

梅雨時期は体調管理も大変ですね。こんなとき、わが家ではイクメンな夫が大活躍してくれています。

 

小学2年生の長男は日ごろヨットと空手で鍛えているせいか、体調を崩すこともほとんどなくなりました。

明日は初めての空手の昇級試験です。初めて色つきの帯を手にすることができるか?

本人も私も楽しみにしています。

 

さて、みなさんは、PTAの委員や役員になられたことはあるでしょうか。

昨今、公立学校のPTAの在り方について、いろいろと問題が取りあげられていますが、みなさんのお子さんが通う学校ではいかがでしょうか。

 

わが子の通う小学校は、鎌倉でも歴史のある公立小学校の一つです。

小学校の入学式で、私がまず驚いたのは、校歌を大きな声で歌う入学児童の保護者たち。

多くの保護者がOBなんだなというのが、一目瞭然でした。

今住んでいる家が夫の実家とはいえ、夫は大学に入ってから同じ鎌倉市内からこの街に引っ越してきたので、夫も私も、完全なよそ者。

いやはや、あのときの衝撃は忘れません。

入学前、同じヨットクラブに子供を通わせているママさんから、

「うちの小学校、児童数少ないから子供一人につき、みんな2回は委員をやっているよ」

という情報を耳にしました。

彼女には上の学年のお子さんがいるので、こういったときにとっても頼りになります。

しかし、一人に2回とは。うちは二人いるので、4回引き受けなければいけない計算になります。

 

とはいえ、それが「避けられないルール」なら、やるしかありません。

まずは1年目に何らかの委員を引き受けたら、きっと交友関係も広がり、のちのち楽になるかもしれない。どうせいつかやらなければならないのなら、早い方がいいかも。

そんな思惑もあり、1年目の委員決めのときには「なり手のいない委員でいいです」と立候補用紙に記入して提出しました。

どんな委員が何をするのか、どの仕事が大変なのか、時間的拘束はどのくらいなのか。

内容がまったくわからないので、選べと言われても判断できません。

「引き受け手のいない委員」というある種の「選択」は、自分ではなかなかの名案だと思ったのですが、まさかこれがあとになって墓穴を掘る羽目にあるとは、このときは思いもしませんでした。

 

そうしてやってきた委員決め当日。

1年生のクラスは、本部役員さんたちが司会進行をしてくれます。

教室に着くと、すでに黒板には、委員の名前と、それに立候補した保護者の名前。

「どれでもいい」と書いた私の名前はそこにはなく、代わりに「広報委員」のところだけ、空欄になっていました。

まずは、定員どおりの数の立候補者が出た委員から確定していきます。

つぎに、定員を上回る委員立候補者同士で、だれが委員になるかを決めてもらいます。

「広報委員」が空欄となっている黒板を、不安そうに見つめる保護者たち。

中には、絶対に顔を上げてなるものか、というくらいの固い決意の?保護者もいれば、どうするのかしらとそわそわする人も。

おもむろに、前に立っている本部役員さんが発言します。

「広報委員は立候補者がいないのですが、どれを引き受けてもよいと立候補用紙に書いてくださった○○さん(私のこと)、広報委員を引き受けてくださいますか」

たまたま一番後ろの席(子供の席に座ることになっていた)にいた私に注目が集まります。

もちろん、「はい」と即答。

内心、広報委員なんて楽そう!(これはおそらく私の職業柄感じた感想です)、と思ってほっとしたのですが、だれもがなりたくなかったらしく、

「おおーっ」という歓声とともに、大きな拍手をいただいてしまいました。

 

もし、私のような引き受け手がいない場合は、委員未経験者の中から、くじ引きになるそうです。

低学年の場合はまだくじの数も多いのですが、高学年にもなると、たいていはみなさん一度は経験をしているので、だれが2回目にあたるか、最悪の場合は3回目、なんていうこともあるとか。

 

この委員決めのある4月は、本部役員さんたちも先生方も、そして保護者の方々も戦々恐々として過ごしているそうです。

 

公立小学校にお子さんを通わせた経験のある方なら、おそらくこれが「一般的」な委員決めの方法だとお感じになることでしょう。

もっと荒手の学校では、「立候補が出るまで、教室を出られない」と役員が前後のドアに仁王立ちしていたり。

名指しで、○○さんやっていないわよね、と取り囲まれたり。

という恐怖政治が働いている学校も、珍しくないのだそう。

 

私は、たまたまフリーランスの物書きという仕事なので、時間も融通つけやすく、また文章を書くのは苦痛ではありません。

ですので、「なんでもいい」と書いたわりには、自分にぴったりの役が回ってきたことになります。

これも、神様の思し召し? というくらい、楽しい広報委員生活を送りました。

なにしろ、たまたまチームにプロのデザイナーがいて、私はプロの物書きで(でも実はこれは内緒にしていました)、運動会や文化祭のようなときには、「広報」の腕章を武器に、どこにでも入り込んで、わが子の可愛いショット撮りまくり。

どうしてこの仕事が人気ないのかしら? と思いますが、これも個人差。

書くのが苦手、話すのが苦手、人と集まるのが苦手、そもそも集まる時間が取れない。

各保護者の方はそれぞれに事情を抱えています。

でも「平等」の名のもとに、そして「子供のため」という殺し文句を武器に、物理的にも時間的にも、能力や適性的にも無理な人たちを参加させているのが現状です。

 

楽しい広報委員生活1年が終わるころ、私には新たな試練が訪れました。

それは、去年の1月だったか、2月だったか。

自宅に一本の電話が鳴ったのです。

この時期、次年度の本部役員の推薦用紙が配布されていました。無記名の投票用紙に、推薦する保護者の名前を書いて、学校の選挙管理委員会宛に郵送するというのが、子供の通っている学校のルールでした。

ぎくっとしたのは、なんと私は投票期限をすっかり忘れていて、未提出だったからです。

あとから思えば、無記名なので私が未提出かどうか誰にもわからないのですが。

 

最初の電話(留守電)。

「○○小学校PTA選挙管理委員会です。ご主人様が次期PTA会長に推薦されています。またご連絡させていただきます。ご検討のほどよろしくお願いいたします」

2回目の電話(これまた留守電)

「たびたび申し訳ありません、○○小学校PTA選挙管理委員会です。じつは奥様の方も、副会長と書記に推薦が上がっています。書記はほかにいらっしゃりそうなので、副会長でご検討いただけないでしょうか」

2回の留守電を聞いた私たち夫婦はビックリ。夫も私もこの地域ではどちらかといえばよそ者。子供の幼稚園も横浜市内の幼稚園へ越境入園させていたし、地元の子供たちがいると思って入れたヨットクラブには息子の他に同校の生徒は二人しかいない(息子と同じ学年はいない)。

地縁のないこの夫婦に、よりによって二人とも会長と副会長に推薦があったとは。

ちなみに、わが小学校は、会長は男性が引き受けるという決まりがあります。

役割としては外部への代表としての立場が会長(男性)、そのほかの一切の調整は副会長となっており、実質副会長が一番大変だというのが、この学校の特徴です。

 

あまりに驚いたので、すぐさま折り返し電話を。

「夫婦で推薦されたと伺っています。子供がお世話になっている学校や地域に貢献したい気持ちはやまやまですが、実質夫婦ではお引き受けできないと思います。仕事内容についてもよくわかりませんし、私は未就園児(当時)と仕事を抱えておりまして」

こんな内容でした。

すると、「現副会長から仕事の話ほか、詳しいお話をさせていただいてもよろしいですか」とのこと。

 

そして後日、副会長からの開口一番の言葉に、衝撃を受けました。

「ご夫婦で役員をやりたいとのことですが、会長と副会長を夫婦でされると権力集中という批判の恐れもあるので……」

 

いえいえいえいえいえ!

夫婦で役員をやりたいなどと言ってませんけど?

 

電話での、選挙管理委員さんとの会話の、「やまやま」以降がまったく伝わっていない……。

政治家などが長い演説の一部を切り取って、マスコミの都合の良いフィルターにかけたような報道がされることがありますが、政治家の困惑が少しわかった気がします。

まるで、役員会を夫婦で牛耳りたいかのように言われて、さすがの私も思いっきり否定しました。

「やりたいというのではなく、二人に投票されたと聞いたので、どちらが引き受けることができるかを検討したいと言っただけですが」

誤解は(おそらく)無事解けましたが、夫婦でどちらか引き受けるか話し合いをしていた数日の間に、

「会長はほかに引き受けてくださる方がいたので、奥様が副会長になっていただけると助かります」

と再度電話が。夫婦の間ではすっかり夫が会長を引き受けるという方向で結論が出ていたのですが、時すでに遅し。

 

こうして、知らない間に、知らない誰かによって投票され、断るのが苦手でうっかりPTA副会長に就任してしまった私でしたが、

引継ぎの会に参加すると、

会長、副会長、書記2名、会計2名の私以外のみなさんが、ご自身または配偶者が同校のOBということがわかりました。

歴史が長いということは、それだけOBも多いということ。

OBでない人は肩身が狭いし、交友関係にも差が出ます。

そんな中にポツンと入り込んでしまったいばらの道でありました……。

 

せっかく本部役員、しかも実権のある副会長に就任したからには、私が2年の任期を終えるころには、

「いやいや入らされるPTA」

「ブラックな組織」

というのではなく、

「楽しそうだからやってみたい」

「あの楽しそうにやっている本部の仲間に入りたい」

そう思ってもらえるような組織に少しずつ変えていきたいと思っています。

 

ちなみに、広報委員になったときに「どの委員でもいい」と書いたことが墓穴を掘る羽目になった、と言ったのにはこういうわけがあります。

役員選出の際に、無記名による他薦投票というのが、子供の学校のルールです。

私はだれか複数の人に名前を書かれて投票されてしまったから、選出されてしまったのですが、なぜ地縁の少ない私が選ばれてしまったのか。

考えられる理由は二つあります。

 

一つ目は、広報委員での仕事ぶり。なるべくできることをしようと、かなり積極的にかかわりました。本業が物書きの端くれなので、校正にもかなり気合を入れてしまった…苦笑。

二つ目は「どれでも引き受ける」という前代未聞の立候補用紙を提出したこと。

どうやら、この二つが私が副会長に選出されてしまった理由のようなのです。

 

つまり、自分で蒔いた種だったという……。

自分で蒔いた種であれば、綺麗な花を咲かせたい。

子供も、なんだかんだと言いながら、頻繁に学校に来たり、みんなの前に立つママを見るのが好きなようです。

 

どんな仕事が来ても楽しんでやっている大人って、きっと子供から見たら「カッコいい大人」に見えるのではないでしょうか。

本来PTAはボランティアです。

ママの姿を見て、ボランティア精神を少しでも感じてくれたら、と淡い期待も抱いています。

 

「できるかな」という不安や「無理やりやらされた」という不満を、こんな期待や希望に変えていく。

家事や育児、本業の仕事、そして学校のPTA。

どれも楽しく取り組む親の姿を子供はきっと心に焼き付けてくれるはずです。

 

少し進捗しましたら、PTAあるある、なことや、解決方法について書いてみたいと思っています。

そして一年後には、楽しい報告ができますように!

 

みなさんも、未来を担う子供たちのために、素敵な大人の背中を見せてくださいね。

 

Schoenen Tag noch!

SPONSORED LINK

Recommend

Topics

記事一覧へ
Recommend Contents
このページのトップへ