文筆ウーマンの子育て奮闘記
HOME > 文筆ウーマンの子育て奮闘記 > 好奇心と色の話

好奇心と色の話

2019.04.20

Episode 5 

 

連日20℃を超える日が続いています。

ゴールデンウィークも近づいてくると、初夏の足音も日増しに大きくなってくるようです。

ゴールデンウィークといえば、子供の日。

わが家の猫の額サイズの庭にも、黒、赤、青の鯉のぼりが、少し湿気をはらんだ潮風に吹かれて、気持ちよさそうに風にたなびいています。

 

庭のお手入れが苦手な私。なじみの庭師さんに頼んで、庭には人工芝を敷き詰めています。

天然の芝生に憧れますが、青々とした絨毯にお天気の日にゴロゴロ転がっている子供たちを見ると、これでよかったのかなとも思います。

 

庭には、鉢植えの花をいくつか置いています。

灰色の空、寒さしみる2月ごろから、春の色が恋しくてピンク色のジュリアンという花をグラデーションで、そして別の鉢には可愛らしい白いノースポールを植えています。

 

あれから2か月以上。

寒い2月を乗り越えて、なんとお花たちは今も元気に家の周りに華やぎを与えてくれています。

小さな鉢に植えられた花たちの、逞しい生命力に感動をもらいながら、感謝を込めて水やりをするのが、私の朝の日課です。

 

街路にはつつじやサツキなどのお花が咲き始め、街全体が彩り豊かになってくるこの季節が、私は大好きです。

 

そんなわが家の子供部屋ですが、去年小学1年生になった長男のために、入学前にセルフリフォームをしました。

腰壁は青みがかった薄紫色。上半分は濃淡の緑2色と白を交互に配したストライプ柄です。

グリーン系のカーテンやベッドリネンに合わせ、かつ長男のお気に入りのランドセルの濃い紫色とも相性の良いように計算しました。

茶色だったドアや窓枠もすべてホワイトに塗ったので、グリーン×パープル、という色合いもしっかりまとまってくれています。

 

イメージとしては、北欧やドイツの子供部屋が近いと思います。

 

さて、みなさんは、「色」と暮らしていますか?

 

私は一昨年前に猛烈に「インテリア熱」が高まり、ルームスタイリストや整理収納コンサルタント、はては、ホームパーティー検定なんていう資格も取ったりしました。

それらの仕事を、この文筆業の代わりにするつもりは毛頭ないのですが、周期的に特定のものを勉強したくなる性分です。

こんな資格を持っているというと、周囲の友人知人から、個人的な相談を受けるようにもなりました。

子育て世代の多くは「子供のものが多くて片付かない」「子供の持ち物がカラフルで、インテリアが自分好みにならない」という問題を抱えているようです。

 

「モノがあふれている」

というのは、子供の気を散漫にしたり、モノを大切に扱わなくなる可能性が出てくるので、適正量に抑える努力は欠かせません。

かくいうわが家でも、モノが増える一方だった時期もありました。

とくに第一子である長男が生まれた前後は、ほとんど使わなかったベビーベッドや、必要かもしれない、と早まって買ったもの、第一子ということで、たくさんの方からお祝いの品物や、やたらに知育おもちゃを買ったり……という失敗を犯しました。

そして、失敗を経て、適正量にするべく現在も頑張っているところ。ほとんどのご家庭も似たようなものかもしれません。

 

今日はもう一つの問題「子供の持ち物がカラフルで困る」について考えたいと思います。

インテリアがお好きな方ほど、「こうしたいのに」というストレスと戦うのが子供のおもちゃの色問題。

インスタ映えする、流行りのモノトーンインテリアの写真を見ては、憧れつつも現実とかけ離れていることに、ため息をつく……。

 

必要は、ありません!

 

長男が生まれたばかりのころ、幼児教育の先生に興味を持ち、少し勉強したことがありました。

そこで知ったのは、「赤ちゃんは、最初はビビッドな色しか見えない」ということ。

そして、女の子は赤、男の子は緑や青が最初に目に付くそうです。

それから徐々に、色の世界が広がって、大人と同じように様々な色が見えるようになっていきます。

 

ですから、まだ幼いお子さんがいるご家庭が「モノトーンインテリア」なんていうのは、子供の脳に何の刺激も与えていないのと同じこと。

とくに、まだ外に出る機会が少ない時期は、家の中に子供の脳に刺激を与える色を置いてあげるほうが良いのです。

3歳までに、子供の脳はミラクルな進化を遂げていきます。何万年もの生物の進化を、一気に辿っていくとても大切な時期。

その大切な過程に、大人の好みでシックな色しか見せていないとしたら、それは残念ながら、大人のエゴというものです。ちょっと厳しいかもしれませんが、それが現実です。

 

子供の教育で注目を集めている国といえば、フィンランド。

宿題もない、塾にもいかない。けれども高水準の教育レベルを保っています。

そのフィンランドの小学校は、じつに彩り豊かなのだそう。

色がもたらす学習効果、好奇心を促す力、リラックス効果などを考慮したうえで、積極的に色を教室に取り入れているといいます。

イメージとしては、幼稚園のお教室、が近いかもしれません。

一方で、日本の小学校はどうでしょう。

黒板、無機質な壁。地味に、地味に……。

ある研究では、子供の学習意欲を低下させる色は、白、黒、茶だそうです(『色の力』ジャン・ガブリエル著)。

 

日本の教育は、「ふつう」でいることが大事。

勉強が好きで、早く進みたくても「ふつう」に引き戻される。

勉強が苦手だったり、本当は好きなのに遅いとか、個性的な考えをする子も「ふつう」を目指すよう求められる。

たとえば、こんなこともあります。

1年生で習っていない漢字は、たとえ自分の名前でも使ってはいけない。そして、習った漢字は、使わなければいけない。

それが「標準」だからです。

 

私のように「暁子」ちゃんが一年生にいたとします。すると「あき子」と書かなければいけません。私は「暁子」なので、全部ひらがなの「あきこ」は許容できても、「あき子」が自分だとは思えません。

同じように「正樹」くんは「正き」くん、「大輔」くんは「大すけ」くんです。

三文字だったら?

「三智雄」くんは「三ちお」くん。「亜里沙」ちゃんは「あ里さ」ちゃん。

これではもう、自分でも周りも、何が何だかわからなくなりませんか?

 

でも、これが日本の公立学校における、教育の現実です。

学習意欲や好奇心をそがれた子供たちは、きっとそこに疑問を持たずに育ってしまうのかもしれません。

恐ろしい……。

 

そうは言っても、「モンペア」のブラックリストに載るわけにはいきません。

ならば家の中だけでも、あるいは持ち物だけでも子供たちの脳に良い刺激を与えるような色を使ってあげたいと思います。

 

インテリアにも、ファッションと同じように「流行」というものが存在します。この「流行」というのは自然発生的に起こることではありません。

色の流行においては「パントーン」という会社が毎年「今年の色」を発表していて、それに基づいて様々な商品が作られ、販促をかけ、世の中に広がっていきます。

今や、必要なモノはほとんどそろっている時代。

だから、前のモノに飽きて、新しいモノに興味を持ってもらわないと、モノは売れません。

そのために、流行は、作為的に作られている…というか、私たち消費者が、力のある企業が発表した「今年はコレ!」というものに飛びついた結果、流行になるわけです。

 

企業の経済活動としては、悪いことではありません。モノが売れるかどうかは死活問題ですから。

でも、子供の脳に与える影響について、彼らが責任を持ってくれるわけではありません。

どんなに流行が変わろうと、私たちが大切な子供の親であるという事実は変わりません。

だからこそ、子供の周りに、彩りがあるか?

こんなに街に色があふれるこの季節にこそ、もう一度点検してみてほしいと思います。

 

そして、朝日が昇るのが見えたら、「空が明るくなったね」

夕日が見えたら「空がオレンジと紫のシマシマ模様になってきたね」

色とりどりのお花を一緒に観察して、雲の流れや空の色の移り変わりや、木々の緑がじつはたくさんの色でできていることや、お花と虫の関係。そこに色や光、そして薫りが欠かせないこと……。

そんなあれこれをたくさん話すように心がけています。

 

子供は本来、好奇心の塊です。

けれども、コンクリートの冷たい建物ばかり見ていたり、無機質な家、逆にモノがあふれて散漫な家に育てば、そのような感性の子になってしまうかもしれません。

心地よい好奇心を育てるために、親もまた、好奇心を忘れてはいけません。

 

『かもめのジョナサン』で有名なリチャード・バックの作品、『イリュージョン』には、こんな言葉が出てきます。

 

「君の中は、何種類もの生き物によって構成されている。

君がある方向へ一歩を踏み出すのは、

その中の学習意欲旺盛な一匹によるものである。

好奇心、それが君自身だ」

 

子供でなくても、人は好奇心とともに生きるほうが楽しい。

一昨年前にインテリア熱にどっぷり浸かった私ですが、この春からは、初めてのヨガと、久しぶりのドイツ語に挑戦しています。

 

勉強しなさーい!

 

と、怒鳴ることより、机を並べて一緒に勉強することを選びました。

 

長男は、公文の算数を解きながら、ママの音読しているドイツ語に興味津々。

まさかドイツ語を習うとは言いださないでしょうけれど、もともと勉強が嫌いではない長男が、大人になっても勉強って楽しいんだな、と思ってくれたら大成功。

 

とはいえ、ドイツ語に集中するあまり、

「ちょっと話しかけないでよね!」

とか言ってしまう、子供な私。

 

でもね、反省ばかりではないのです。そんな私をずっと見てきた息子が、ある日言いました。

「僕も、ママみたいな集中力が欲しい」

 

そっか、君は集中力がないことに気がついているんだね。

気がついているなら、あとは早いものです。自覚をして反省をして、できている人を観察する。

今、彼の好奇心の対象は「集中力」のようです。

 

子は親の背中を見て育つ、と言います。

あなたの背中は、きらきら輝いていますか。

美しい自然界が色に溢れているように、人が作り出す環境も、そして心の中も、美しい色で溢れますように。

 

光まぶしいこの季節。愛と色に溢れた素敵な毎日をお過ごしください!

 

schoenen Tag noch!

SPONSORED LINK

Recommend

Topics

記事一覧に戻る
Recommend Contents
このページのトップへ