日本人として覚えておきたい ちからのある言葉【格言・名言】
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喜びは空に飛び去る鳥に似る。憂は土に這う虫に似る

湯川秀樹

 ノーベル物理学賞を受賞した、理論物理学者の湯川秀樹氏の言葉だ。物理学に興味をもった子供のころから、ひたすら物理学に没頭しつづけ、30歳を目前にして「中間子論」を発表した湯川氏。ノーベル賞を受賞したのは、それから15年ほど後のことである。その喜びもつかの間、現実に戻れば、また研究や学問に没頭する日々だったということだろう。

 

 灼熱の太陽は、木々や建物を燦々と照らす一方、その影をいっそう色濃くする。

 

 光あるところに、必ず影は存在する。
 光が強ければ強いほど、影は闇のように色濃くなっていく。
 
 人の人生も同じだろう。
 栄光があれば、その裏には、孤独や挫折などの憂いは必ずある。
 栄光が大きければ大きいほど、それ以上に憂いはあるはずだ。
 
 輝かしい部分ばかりがアップされることの多いSNSなどで、他人と比べて自分のあまりの凡庸なことに落ち込む人は多い。
 しかし、光の裏に隠された影の大きさに気づく人は、どれだけいるだろう。
 
 有名なものや目立つものは、誰が見てもそれとわかる。
 だが、ほんとうに見るべきところは、そんなところではない。
 背景や影など、見えないところに大切なことは隠されている。
 
 光に照らされたものは、影を見れば形がわかる。
 まぶしい光は正体をかくしても、影は、そのものの姿をくっきりと描き出す。
 
 喜びは光。
 憂いは影。
 
 光に影がつきもののように、喜びと憂いは表裏一体なのだ。

 

「美しい日本のことば」連載中

(190211 第512回)

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紺碧の将

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