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人生にとって最も重要なことは周囲から批判されるところをこつこつ磨くことだ

ジャン・コクトー

 詩人、小説家、評論家、さらには画家、劇作家、映画監督と、多彩な才能を発揮し、時代の寵児であり続けたジャン・コクトー。天才とは彼のような人物を言うのだろうと、この言葉を知って胸が弾んだ。コクトーは、世間に流布する「オリジナリティー」という常套句に潜む作為を見抜き、ただひたすら批判からもたらされる真のオリジナリティーに生涯を捧げた。

 
 人によく見られたい、いい評判を得たいというのは、人間なら誰しも一度は思うはず。
 嫌われるより、好かれた方が、社会では生きやすいから。
 
 ベストセラーになった『嫌われる勇気』は、そんな「好かれたい願望」の強い人たちに警鐘を鳴らすもので、すべての悩みは対人関係の悩みであるとし、いかにして本来の自分、ありのままの自分を肯定しながら、対人関係を改善していくのかを具体策を提示して哲学的に解説している。
 
 しかし、思うに、その本を読んでいるどれだけの人が好んで嫌われようとするだろう。
 「嫌われる勇気」を持とうと思う奥深くに、もしかすると、「そうは言っても好かれたいから」「自分らしさを認めて欲しいから」という邪な考えが知るともなしに横たわっているかもしれないではないか。
 それならいっそ、「好かれたいから」と、堂々と胸を張って人に尽くした方が潔いいし、可愛げがある。
 
 コクトーは、そんな似非オリジナリティーを鼻であしらう。
 独創的などと言う輩は、そもそもが信じられんと。
 
 ひねり出したり、他人と違うことをしても独創的にはならない。
 それは無理矢理作り出したものだから。
 真のオリジナリティーは、賞賛の中からは見つけ出しにくいもの。
 自分らしさを求めるのであれば、批判に耳を傾けよう。
 そこに、他にはない自分だけのオリジナルがある。
 
 批判を賞賛するコクトーは、さらにこうも言っている。
「批判してくれる友人がいなければ、すぐさま本と首っ引きになるべし」と。
 
 本の中は未知なる世界。
 成長と変化を遂げる、新しい世界が広がっている。
 成功から学ぶより失敗から学ぶことが多いように、賞賛よりも批判からの方がより多くのことを学べるはずだ。
(180705 第446回)

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紺碧の将

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