日本人として覚えておきたい ちからのある言葉【格言・名言】
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無心に生きるものには幸せも不幸せもない

堀文子

 以前にも紹介した日本画家の堀文子女史の言葉。

 幼い頃から自然や生命の神秘に魅せられ、科学者になるという夢もあった彼女は、何ものにも縛られない絵の道を選んだ。大病に倒れた83歳のときには、生死をさまよいながらも奇跡的に回復を遂げ、以降、菌類や珪藻類など微生物の世界に生命の根源的な美しさを見出したという。

 

「無心」という言葉が「心が無い」と書くからなのか、無心になるのはむずかしいと考える人は多い。

 禅道場での坐禅でも無心になれというが、なかなかそう簡単に無心にはなれない。

 無心を意識すればするほど雑念が生まれて無心から遠ざかる。

 じゃあ、どうすればいいんだと言いたくもなるだろう。

 

 子供の遊ぶ姿はまさに無心そのもの。

 彼らは、放っておいても「没頭没我」の世界にすんなり入ることができるのだ。

 

 堀文子氏は「無心」というものを、彼女らしい言葉で表現している。

「自然は生きた日々の恨みつらみを消し、決して老残の醜さを見せない。死を迎えるときの、あの紅葉の華やぎは命の輪廻を讃える神の仕業だと思う」

 

 自然のありようは無心の手本。

 生きることに一生懸命であれば、幸も不幸もないということなのだろう。

 生きることとはつまり、仕事も遊びも衣食住すべてにおいて一生懸命、今に注力するということに他ならない。

(160714 第215回)

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紺碧の将

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