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紺碧の将
Interview Blog vol.72

組織革新のため、組織と個人の成長をサポートします

株式会社フォーラムジャパン代表取締役熱田二朗さん

2019.03.10

個人と組織が成長するための「ラーニング」を提供し、サポートする、株式会社フォーラムジャパン代表の熱田二朗さん。果敢にチャレンジする姿に手を差し伸べる人が後を絶たず、幾たびの窮地も人によって救われ、世界を股にかけ自己革新を続けてこられました。恩師の遺言である「ペイ・フォワードすること」を胸に、組織革新の真のパートナーとして組織と個人の成長をサポートし続けます。

セルフマネジメントを極めるために

熱田さんは、弊社代表の髙久と同じ、田口佳史先生の講義を受講されていたと聞きました。東洋思想にご興味があったのですか。

はい。田口先生の講義を受けて、さらに興味が深まりました。「老子」講義を受けてから、「タオ(道)」がどういうものか知りたくて、「タオ」の体験をしてみようと、今もいろいろ試みています。

たとえば、どういうことをされているのですか。

実際に、タオのマスターやタオの修行をしている人のところに行ってに教えを請うたり、太極(ムーブメント)、瞑想などをしています。

やってみて何か感じたことはありましたか。

太極の練習中、不思議な感覚に囚われたことがあります。自然のあらゆるものと一体になった感じ、風や木々、蝶などとひとつになったような感じがしました。そして、自分は地球そのものとつながっていると感じたのです。それまでは講師の話もいまひとつ理解できなかったのですが、その瞬間、ストンと腑に落ちて、非常に謙虚な心持ちになれました。自分自身と全てが繋がっている感覚です。その感覚を持ち続けるためには、自分自身を良い状態に保つという意味でセルフマネジメントが重要です。そのようなものがあるとすぐに体験したくなります。

セルフマネジメントという言葉は、よく耳にします。自己管理能力が身につくと仕事も人生もうまくいくといって、最近、特に重要視されていますね。昔からそういったものに興味があったのですか。

目標を設定して、それを達成することは昔から好きでしたね。
学生の頃は、短距離走でオリンピックを目指していたくらいです。
中学3年生のときは400m走で全国2位でしたし、100m走でも13位か14位に入っていました。スポーツ推薦で入った高校でも、国体の400m走で2位までいきました。

国体で2位ですか! しかも、オリンピックが目標とは、レベルが高いですね。

ただ、高校2年のときに太ももをケガして、さらに腰も痛めてからオリンピックはあきらめました。結局、高3の春の大会を最後に陸上部を退部しました。

窮地から救い、導いてくれた恩師たち

そうでしたか。それは残念ですね。オリンピックは小さいころからの夢だったのですか。

いいえ。中学生になってからです。小学生の頃の僕は、どうしようもないほど悪ガキだったんですよ。小学3年生で酒もタバコもおぼえて、5年生のときはタバコの火がもとで校舎の壁を燃やしたこともあります。6年生のときはバイクで逃走したり、とにかく悪事三昧でした。バイクで逃走したあとは、罰として一人、毎日、校長室で個人勉強でした。

過激な小学生ですね。なぜ、それほど荒れていたのですか。

6歳のときに父親を亡くしてから、僕と兄は母と祖父母に育てられたのですが、両親は生粋のクリスチャン、祖父母は仏教徒であり神社の祭りごともやっているという異なる宗教の教育を受けたことで、アイデンティティークラッシュが起きたんです。教えられることが真逆だったため、やることがいいことなのか悪いことなのか、いつも疑っていました。一方で正しいことも、他方では悪になる。どっちを信じればいいのかわからなかった。だから、楽しいことにも罪悪感がありました。

それは、子供にとっては辛いですね。それが、どういう理由で中学校でオリンピックを目指すまでになったのでしょう。

バイクで逃走したとき、なんども悪事をはたらく息子に、初めて母が泣いたんです。それを知った小学2年生のときの女性担任が、僕をおんぶして、グラウンドを何周も歩いてくれたんですよ。小さな体で、6年性の、当時すでに160センチあった僕を背負って、何も言わず、泣きながら、ただひたすら歩き続けてくれた。その愛情が骨身にしみましてね。中学で改心し、陸上部に入部してからは短距離走にのめり込みました。オリンピックを目指そうと思ったのは、そのときです。

母親と先生の愛情に救われたのですね。しかし、残念ながらケガでオリンピックの夢は絶たれてしまいました。その後、どうされましたか。

もともと大学に行きたくて、スポーツだけじゃなく学業も手を抜かず、音楽以外はオール5で通していました。ただ、家が貧しかったので公務員になろうと思って試験を受けました。ことごとく落ちましたけどね(笑)。
一応、東海大学を受験して合格していたんですよ。でも、入学金が払えないから諦めようと思っていました。すると、担任が自分の定額貯金100万円を解約して、お金を準備してくれたんです。そのお金をもって家まで1時間かけて訪ねてくれて、母を説得してくれました。
「いつか彼に返してもらうから、入学金に使ってくれ」と。と言っても、先生は返してもらおうとは思っていなかったみたいです。ほんとうにありがたかったです。

生徒のために、そこまでできる先生はなかなかいないと思います。小学生のころの先生もそうですが、熱田さんはいい先生に恵まれていますね。

そうですね。ほんとうにありがたいです。大学でも素晴らしい教授との出会いがありました。私は東海大学の国際学部に入学したのですが、そのときの外国人の教授のおかげで、留学することができました。

留学費などは、どうされたのですか。

ロータリー財団の奨学金と教授が準備してくた資金でした。現地でも、大使館勤めの外交官を紹介してくださり、そのお宅の猫の餌やりなどのアルバイトをさせてもらいながら学校に通っていました。生活費や学費のためのお金を教授に借りてはアルバイトで返す。返したお金をそのまま教授が手渡してくれる、という繰り返しです。大学を卒業してからもずっと、教授は僕のことを助けてくれました。
社会人になって再びアメリカで学び直そうと思ったときも、教授が知人などを紹介してくれたり、「君は勉強しなさい」と言って資金面や生活面を支えてくれました。

一人の日本人のためにそこまで親身になってくれる外国人の教授がいたとは驚きです。これまでの先生たちもそうですが、熱田さんには人を引きつける魅力があるのでしょう。それ以上に、手を差し伸べたくなるほど、一生懸命努力されていたのですね。

ただ、残念なことに、恩師は50歳という若さで亡くなってしまったんです。そのとき僕は27歳でした。亡くなる前、彼は僕に「これまでやってきたことをペイ・フォワード(次へ渡す)してくれ」と言って、自分の生きた証を残してくれるよう僕に託しました。だから、僕はできるかぎりの恩返しをしようと思い、教授からしてもらったように、人の可能性を引き出し世の中へ伝えようと考えました。そして、何となくですが教育の道に進みました。

具体的にどういうことをされたのですか。

大学卒業後、すぐに桜美林大学で日本語を教えました。教授が日本で英語を教えていたように。きっと教授は喜んでくれるだろうと思って病床の彼にそのことを伝えました。すると、喜ぶどころか激昂されてしまったのです。「同じことをするんじゃない。私の真似をするな」と。

なぜそこまで激昂されたのでしょう。

わかりません。ただ、後で友人から聞いた話では、本当は嬉しくて、泣いて喜んでいたそうです。「きつく突き放してしまって、あの子は大丈夫だろうか。ちゃんとやっていけているだろうか」と、心配していたと言っていました。

そうでしたか。素敵な先生ですね。

本当にすばらしい人でした。恩返ししたくても、もう返す相手がいないのが悔しい。だから、恩師の遺言どおり、ペイ・フォワードしていこうと思ったのです。すべては教えられないけれど、知っていることはすべて次に渡して、つなげていこうと。

サポートされる側からする側へ

事業を興されたのは、それがきっかけですか。

そうです。恩師が亡くなったのが1993年。その年に、人材育成や組織開発サービスを提供するマスターピースという会社を設立しました。ところが、設立早々、騙されて1億円の借金を背負ってしまったんです。

1億円ですか?!

はい。毎月250万円も返済することになりました。必死で払い続けましたが、途中、払えない時が2回あって、そのときも人に助けられました。どうしても工面できず、窮地に陥ったとき、仕事を介して知り合った弁護士事務所の先生が助けてくれたのです。結果的に、3年と少しで完済することができました。

熱田さんは、何か見えない大きな力に守られているようです。窮地に立たされると、必ず助け舟が現れますね。

僕もそう思います。ありがたいですよね。

現在の株式会社フォーラム・ジャパンを設立されたのは、いつですか。

15年前です。ボストンのフォーラム・コーポレーションの日本法人として、2004年の3月に設立しました。フォーラムは、全世界に約600名のプロフェッショナルがいる企業で、「フォーチュン」誌の上位1000社クラスのクライアントへのサポートをしています。

どういったサポートをしているのですか。

簡単に言えば、ビジネス上の重要課題に取り組む手助けです。営業、サービス、リーダーシップに関する個人と組織の成長をサポートしています。調査ベースの個人や組織のベストプラクティスを元に、われわれフォーラム・ジャパンは、成長のための仕組みづくりをしています。
海外の企業の多くは、各個人がプロフェショナルになることを求めます。それが組織の向上につながり、より高度なビジネスが可能になるからです。ところが、日本の場合、中小企業ではまだまだ仕組化もグローバル化も進んでいません。というのも、大企業にあるスタンダードな枠組みや基準が中小企業では明確でないからです。

というと?

中小企業は社長が仕組みで、それがスタンダードになっている。社長がいなければ仕事が回らない仕組みになっているということです。それでは会社は長く続きませんよね。私は、持続可能な会社をつくるサポートをしたい。そのためには、個人も組織も変わり続ける必要があります。各自が学びながら自己改革していけば、組織全体が成長しますし、結果的に長寿企業になります。

たしかに、あらゆるものが急速に変化している現在は、いかに個人レベルで意識的に学び、成長できるかが重要なポイントになると思います。

そうですね、感性や感覚を磨き、フォーカスをつくっていく。手段と目的を明確にして、成果を出すと同時に、長期的な視点と高い視座で物事を思考し感じられるようにする。そういった経営者や幹部人材をつくるために必要な体験、教育、コンサルティングを行っているのです。そして海外のパートナーとその価値を共有していく。そうすれば、日本の中小企業も海外企業と一緒に持続的な経営ができます。
今後、ますますビジネス環境の変化が激しくなりますから、個人と組織の成長と革新は重要です。そのためにも、われわれは真のパートナーとして、全力で組織と個人の成長をサポートし続けます。

 

(写真上から:陸上の試合、祖父と小学6年生の熱田さんの着物姿、小学6年の運動会、母親と大学の恩師と熱田さん)

Information

【株式会社フォーラムジャパン】

〒162-0065
東京都新宿区住吉町2-18ウィン四谷1108号
月曜~金曜 AM9:30~PM6:00
Tel:03-3350-0912 Fax:03-3350-0973

http://www.forum-japan.com
 

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