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紺碧の将
Interview Blog Vol.08

“癒し”の時間と空間を創りたいんです

美容室kochi オーナー横井英之さん

2017.07.03

横井英之さん

絶対に3年は続ける

なぜ、美容師を目指そうと思ったのでしょうか。

 ファッション関係の仕事に就きたかったのです。なんとなく将来を考えた時に資格があるものがいいなと思いました。ファッション関係で資格が必要な職業は何かと考えたら、やっぱり美容師かなって。

美容室で働きはじめて、どういったところに難しさを感じましたか。

 学校で教わったことをお客様相手にやるのですが、なんていうか、全然違うんです。

 例えばシャンプーを教わったとおりに一所懸命やっているつもりでも、「全然気持ちよくないよ」って言われたこともありました。実践で要求されるレベルが思った以上に高いのを感じました。

下積み時代はどのようなものでしたか。

 当時働いていた美容室はカラーやパーマ、そしてカットなど、テストに合格したらその仕事ができるようになるシステムでした。毎日課題があって、そのために朝夕と練習に明け暮れていました。3年目でようやくカットが任されるようになったのです。

 美容師の面白さがわかってきたのもこの時期でしたね。それまでは辞めたいと思ったこともありましたよ。でも、絶対に3年以上は続けようと決めていました。専門学校に行かせてくれた両親に申し訳ないし、 すぐに辞めたらこの業界の本当の楽しさや辛さを知ることはできないと思いましたから。

自分の“根っこ”を探す旅

美容師としての面白さを感じて、初めてこの仕事をずっとやっていこうという決心したのですか。

 美容師は続けたいと思っていましたが、働きはじめてから4年目、24歳のときに人生のことや将来のことを深く考えるようになりました。自己啓発本を読み漁り、そのうちに自分探しの一人旅をしたくなって……。働いていると旅ができないから、当時勤めていたお店を辞めました。

美容師として働いている自分に疑問を抱いたのでしょうか。

 美容師としてという以前に、一人の人間としてコンプレックスがたくさんありました。

 自信や心の拠り所、つまり自分という人間の“根っこ”がなかったのです。アイデンティティーを確立するための手がかりとして、一人旅に行きたいと思うようになりました。

その後、一人旅をしたことによって、自分の中で心境が変化したのですか。

 タイに行きました。言葉もわからないし、現地のことは何もわかりません。そんな状況で自分がどういう行動をとるのか、どう思考する人間なのかなど、自分を見つめ直す時間が持てました。

 出会ったタイの人たちが優しくて、人と人とのやりとりが楽しくて、それが凄く大きかった。

 やっぱり自分は接客の仕事がしたいのだと思いましたし、日本に帰ったらハサミを持ちたいと思う気持ちが強くなりました。

どんな気持で再スタートを切りましたか。

 現場から一度離れたので、技術面は不安でいっぱい。でも迷いがなくなりましたから、やる気だけはありました。次に勤めた美容室では独立するまで12年続けました。どんどん仕事が面白くなって、気がついたら12年経ってた(笑)。

“癒し”の時間と空間を創りたい

横井英之さん

独立を考えたのは、なにかきっかけがあったのでしょうか。

 独立願望はまったくなく、勤めていた美容室でずっと働くのだと思っていました。

 しかし、担当するお客様が増え、アシスタントに細かい仕事を任せる立場になった頃です。時間があるので自分がシャンプーまでやったとき「え、横井さんが洗ってくれるんですか」って言われたことがありました。それが実に印象深くて、気になってしまって……。

 小さい美容室が好きだとか、カットからシャンプーまで担当に全部やってもらいたいというお客様が少なからずいることがわかったのです。

 知らない人が相手だと緊張することがありますよね。

 美容室にくるお客様の中には、“癒やし”を求めてくる人もいるんじゃないかって思ったときに、それが自分のやりたいことなのかもしれないという気持が芽生えたのです。

その後、独立をされたわけですね。

 独立して実感したのは、こういうお店を待っててくれたお客様がたくさんいたんだなということでした。担当していたお客様が来てくれて、人を紹介してくれて……。12年間勤めてきて一番の財産だと思いました。

 一人でやることで、エネルギーをすべてそのお客様に向けられることがいいですよね。「これが僕のやりたかった美容室です」って感じてもらえていると思います。

先ほどお話に出た“癒し”がこのお店のテーマになっているのでしょうか。

 仕事帰りのお客様がシャンプーをしてたら寝息をたてちゃう時とか凄く嬉しいんですよね。自分がやりたかった“癒し”ってこういうことだよなって実感できるんです。

 例えばコンビニで100円のコーヒーを買ってもいいけど、あえて600円のコーヒーをカフェで飲む時って、その場所に癒しを求めているからだと思うんですよね。だから美容室もそういう場所でありたい。静かなゆっくりとした癒しの時間をお客様に提供したいです。

 あと、僕ちょっとコワモテでしょ(笑)。お客様も慣れてないと「あっ怖そう……」って構えちゃうんです。だからリラックスしてもらうためには何をすればいいかっていつも考えていますよ。

今後はどういうお店にしていきたいですか。

 無理をして一日に多人数のお客様をこなそうとか、大人数のスタッフで対応するサロンにしたいとは考えてはいません。髪を切るだけじゃなくて、癒しを求めて来てもらえるような美容室にしたいと思っています。あのお店へ行くと気持ちが落ち着くんだよねって言ってもらえるような場所にできたら最高ですね。

インフォメーション

白を基調とした、柔らかく暖かい雰囲気の店内では、ご来店されたお客様に癒やしの時間を提供します。 ご自身に合ったヘアスタイルをお探しの方はぜひ『美容室 kochi』へお越しください。

 

【美容室 kochi】

〒324-0051 栃木県大田原市山の手2-14-8

定休日/火曜日(ただし、事前に相談をしていただければ対応が可能な場合がございます)

営業時間/10:00~20:00(時間外も事前に相談をしていただければ対応が可能な場合がございます)

TEL.0287-20-5020

 

横井英之さん

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