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紺碧の将
Interview Blog Vol.07

信じたことをやり通せば、人生は愉しい。

真岡はりきゅう整骨院院長大幡正志さん

2017.06.26

 

鍼の不思議、人体の不思議に魅せられて

鍼灸の世界に入ろうと思ったきっかけは何ですか。

 きっかけは、足の怪我です。20歳過ぎたころ、交通事故で足の骨を2本折って50日間入院したのですが、リハビリをしてもあまりよくならない。

 そこで、試しに自分で鍼治療をしてみたんです。
 僕の父は盲人の鍼灸師なんですよ。子供の頃から何かっていうと鍼治療をしてもらっていました。怪我や肩こりなんか、あっという間に痛みが消えるってことを知っていた。だから、見よう見まねでやってみたんです。
 驚きましたね。それまでいっこうに回復しなかったのに、鍼をやったらそれまでがウソのように良くなった。それからです。父の仕事に興味を持ったのは。
 一般的に、怪我の治療って時間がかかりますよね。
 病院では痛み止めの飲み薬をもらうか、低周波治療がほとんどですから、治りは遅い。でも、鍼は即効性がある。
 不思議でしょう? なんで痛みがなくなるの?って。
 よし、鍼灸師になろうって思った。それが24歳のときです。

どうやって学んだのですか。

 鍼灸師になろうと決めた翌年に、鍼灸師の学校へ行きました。当時は今ほど人気がなかったから、全国で8校しかなかったんですよ。
 その学校が人生で一番、おもしろかった。体の仕組みが不思議で、不思議で。
 東洋医学の歴史はもちろん、理論、解剖学、生理学など、人体の構造を紐解いていくんですけど、それはもう、ほんとうに不思議なことばかりで。
 のめり込みましたね。ライブを聴きに行った以外、授業をさぼらなかったです(笑)。それくらいおもしろかった。
 その後、柔道整復術の学校にも行きましたけど、こっちはつまらなかった。基本的なことは同じだから、もう不思議でもないんですね。柔道で黒帯もとらなきゃいけないし(笑)。いちおう、とりましたけど、僕の興味はそこじゃない。やっぱり鍼の魅力にはかないませんね。鍼が楽しいんです。

鍼の魅力は何ですか。

 即効性があることと、学ぶことが多いことでしょうか。
 人間それぞれタイプが違うわけですから、同じような症状だからといって、同じように鍼をしても治る人と治らない人がいます。
 あれ、なんでだ?って思うことなんてしょっちゅうありますよ。
 同じ人であっても、その時々でアプローチは違ってくる。
 それくらい、人間の体って不思議なんです。
 タイプの違いを「証」と言うのですが、この証が人間一人ひとりにはあって、それだけ治療方法も違ってくる。だから、引き出しは多ければ多いほどいいんです。
 まだまだ手探りですね。わからないことがいっぱいある。患者さんと向き合うたびに学ぶことだらけで、今は僕なりに独自の引き出しを作っている最中です。

 

大幡式鍼療法を極める

大幡さん独自の治療法や理論の引き出しを少し紹介してください。

 たとえば、逆子ってありますよね。あれって、陰陽のバランスが崩れている状態だと思うんです。陰陽を表す太極図。母親とお腹のなかの赤ちゃんの様子ってあれと同じですよね。女性は陰だから、赤ちゃんは陽。それが逆子になると陰と陰の状態になっている。
 だったら、陰を陽に変えればいいんじゃないかと思って、三陰交という婦人科系のツボを温めて陽にすると、思った通り、逆子は元にもどります。
 不思議でしょう? こういうことがいっぱいある。
 左右のツボに対するアプローチも、片側だけでいいのかとか、両方必要なのかとかね。自分の体を実験台にして試しています。だから足には火傷の痕がいっぱいありますよ(笑)。

鍼治療にもいろいろタイプがありますね。鍼の数は多い方が効果があるのでしょうか。

 世には鍼を何十本も刺す鍼灸師もいますけど、「ヘタな鉄砲数打ちゃ当たる」じゃないんだから(笑)。僕は鍼一本で治せたらいいなと思っています。灸頭鍼や皮内鍼の発明で有名な赤羽幸兵衛先生も「気の流れを調整する鍼は一カ所で良い」とおっしゃっていましたし、師でもある父は盲人ですので何本も刺すようなことはせず、1本の鍼を使って治療しています。僕は陰陽で身体を捉えてバランスを整えるので2本、もしくは4本と偶数で鍼を刺します。

自分も周りも幸せになるために

今後の夢や目指すものはありますか。

 ぜいたくな夢ですけど、いつか、今の治療院がある場所に森をつくりたいと思っているんです。周りの土地を購入して、アスファルトをはがして木を植える。治療院の隣には地産地消を考えた自然食レストランやジムと文化的な何かを併設して、生活全般が改善できる場所を作りたい。本当の治療家を目指したいんです。
 体だけではなく、心身ともに改善できるように、食べることと運動と、そして心を豊かにする文化的芸術的なものに触れられる空間。そういう場所があるといいですよね。僕の理想です。いつ実現できるかわかりませんけどね(笑)。賛同してくれる人が現れたら嬉しいです。

人生を楽しむためには病気にならならい体づくりは基本ですし、そのためにも生活改善で心身を整えていくことは必要です。そういう意味でも、大幡さんは仕事もプライベートも楽しんでいる人生の達人だと思います。何か秘訣はありますか。

 今、東洋思想研究家の田口佳史先生の元で東洋思想を学んでいるのですが、田口先生のおかげで物事を俯瞰して見られるようになりました。どんなことにも良い面と悪い面があるとわかっているだけで、周りの見え方がぜんぜん違う。それが嬉しい。
 これまで僕は、自分が信じたことをやってきました。だから今、本当に幸せです。
 信じたことをやり通せば、幸せになれるんだって思います。自分が信じられるし、人も信じられますしね。自分のことも周りにいる人のことも信じられたら、人生は愉しいですよ。

インフォメーション

体の痛みはもちろん、心の痛みにもアプローチした鍼灸院。
中医学を学び、東洋思想にもとづく陰陽のバランスにヒントを得ながら根源的治療を行っています。

●真岡はりきゅう整骨院●
〒321-4306栃木県真岡市台町107
TEL:0285−80−0200
受付時間
平日 9:00〜11:30
   15:00〜19:00(金曜日15:00〜18:00)
土・日・祝 9:00〜11:30
ホームページ
http://moka-harikyu.life.coocan.jp/index.html

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