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紺碧の将

上達することはいいことか

2010.12.17

 この時期になるとあちこちにクリスマスイルミネーションが現れるが、いったい何が楽しくてあんなものをつけるのか、というのが偽らざる気持ちだ。もちろん、人が楽しんでいることにケチをつけるつもりはない。しかし、「なんで?」という気持ちは年ごとに大きくなっていく。あんなものを見てキャーキャー騒ぐより、月を見なさいと言いたいが、多勢に無勢なので言うのはやめる(すでに言っている?)

 我が家でも子どもが小さかった頃はクリスマスのイベントをしたが、娘が大きくなって、「サンタさんはじつは親だった」ということがバレてからはクリスマスに何かをする意味がなくなったので、以来、なにもしていない。

 「それでクレームはないの?」と言ってくれる人はいるが、高久家の一員を長年やっていると、「どうしてウチはクリスマスをしないの?」という愚問をしてこないので説明する機会もないまま、この時期を平和に過ごしている。質問があれば、たちどころに説諭してあげるのだが。

 

 と、そんなことはどうでもいい。

 あろうことか、先日、高久カズオさんの「さんざんオールスターズ」がクリスマスライブをやるというので、万難を排して行ってきた。

 前回のライブは、じつに愉快だった。なにしろ、一晩であれだけ笑ったのは何年ぶりかわからない。その時の模様は下記をクリック。

 今回は? といえば、 あまり笑えなかったのが惜しまれる。

 というのも、ドラマーのカズオさんがほんの少しうまくなってしまったのだ。もちろん、そうは言ってもミスの連発だったが、前回の「絶対にありえないミス!」から比べれば、おとなしいもので、よって大笑いする機会がなかったのである。

 演奏の後、カズオさんは多くの客から「うまくなったね」と褒められ、上機嫌だった。

 「いやー、褒められるのがこんなに嬉しいこととは思わなかった。いやー、いいね、褒められるって、ね」といつもの笑いジワをいっそう際立たせて破顔一笑だった。ちょっと進歩しただけであんなに褒められるカズオさんて、いったい……。

 さらに、「高久君は僕のミスをおもしろおかしくブログに書いているけど、一回くらい褒めてくれたっていいじゃない。上達したんだからさ。ね、ね」。そう言いながら、私に流し目を送ってきた。

 そうかあ、たしかにカズオさんには日頃お世話になっているので、今回はちょっとだけ褒めようかなと思ったものの、どんなことを書こうかなと思っているうちに胸が苦しくなってきたので、一時中断。

 

 それにしても、「さんざんオールスターズ」のライブ、やはり異様な雰囲気であった。明らかに「クラブつながり」なのだ。クラブ経営者、クラブに勤めている超ミニスカのおねえちゃんたち、股下から足首まで50センチ程度の常連客オジサン(もちろん、おねえちゃんたちを虎視眈々と狙っている)等々。彼ら彼女らをつないでいるのは、まぎれもなくカズオさんである。そういう場にあって、明らかに「場違い」な私はきわめて肩身の狭い思いをしていたのだが、それでも大笑いさせてくれるのであればいいと思って出向いたのが浅はかだった。結局、前述のようにカズオさんが少し上達してしまったがために笑いが少なくなってしまったのである。

 そんなわけで、はたして上達することはいいことなのかどうか、わからなくなってしまった。トホホ……。

(101217 第216回 写真は今回のポスターの一部。トナカイならぬラクダに乗るカズオさん)

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