多樂スパイス

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紺碧の将

地球の肉体

2010.08.21

 三たび、山の話題。

 右の写真を見てほしい。仙丈ヶ岳頂上付近に咲いていた花。

 どう? 岩と岩の間のわずかな隙間から茎を伸ばし、立派に花を咲かせているではないか。

 理論的には植物が生き延びるのに適していないのは一目瞭然だろう。しかし、それでもなお、健気に咲いている。真夏だというのに寒風吹きすさび、夜ともなればかなり冷え込む場所だというのに。

 

 どうしてか? ここで前回に続き、再び私の独断的考察を。

 地球は生き物だと思うようになったと前回書いた。そして、ふだんわれわれが生活している場所は地球の皮膚に覆われている、土や植物は地球の皮膚だ、と。

 繰り返し言うが、標高3000メートル級の山ともなれば、皮膚ではなく、いわば肉体がむき出しの状態ではないかと思うのである。つまり、地球の力がダイレクトに伝わってくるのが、そういう山々だということ。だからこそ、か弱い花が元気に花を咲かせることができる。そこまで登った人間は、活力やら心身の浄化やら、さまざまなご褒美を得ることができる。あのご褒美があるから、それまでのつらさに耐えることができる。

 

 ちがうかな?

 わからない。根拠はまったくないからね。

 でも、そう思う。かなりはっきりと。小さな花々がそう教えてくれている。

 (100821 第186回)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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