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美し人
ココロバエ

さらば、新聞

2019.10.23

 物心ついてからずっと新聞を読んできたが、いよいよ今月末をもって購読をやめることにした。

 理由は、読むところが少ないから。

 政治思想的に極端な新聞は嫌だから、ずっと読売新聞だった。もちろん、読売の立ち位置も偏っているところはある。そもそもナベツネさんの色が強いし……。それでも、主要中央紙のなかではいちばんバランスがとれている。

 ここ数年、特に顕著なのが、紙面の汚さ。まるで折込チラシとスポーツ新聞を束ねたような様相を呈している。広告の合間に記事があり、スポーツ面が5〜6ページもある。そんなわけで、新聞を広げても5分とたたず席を立つというありさま。そのために年間5万円を払うのはいかにももったいない。それをほかのもの、たとえば良質の本や美術展、コンサートに使えば、満足度は格段にアップする。

 情報はネットでこと足りる。いや、自分が欲しい情報をピンポイントで得るにはネットが最適。大量生産した安売りの広告など、見ずに済む。週刊誌の広告など、うんざりだ。そういうものと距離をおき、無駄な出費も抑えられるにはやめるしかない。

 昔は、新聞を読んでいないというだけで、白眼視されたものだ。新聞は、教養ある人間として最低限の情報源であった。掲載する広告にも品があった。おそらく社内にコードがあったのだろう。安売りチラシのような広告はいっさい掲載されていなかった。

 いつからだろう? なりふり構わず、なんでもかんでも載せるようになったのは。

 そう考えると、昨今の新聞離れは自分で自分の首を絞めているともいえる。もちろん、ときには読み応えのある記事もある。しかし、「新聞をとっていてよかった」と思うことは以前ほどなくなった。あれだけの広告を掲載しているのだから購読料を無料にするとか、あるいは紙面を充実させて新たな価格を設定するとか、どちらかにシフトする必要があるのではないか。若い世代の新聞離れが進み、さらに中高年も見限るとなれば、先行きは危うい。

「俺たちのことはいいから自分のことを心配しろ」と新聞社から言われそうだが。

 

本サイトの髙久の連載記事

◆禅的ネコが若い女性に指南 「うーにゃん先生の心のマッサージ」

◆「死ぬまでに読むべき300冊の本」

◆「偉大な日本人列伝」

 

最近の髙久の著作

●『父発、娘行き』

●『葉っぱは見えるが根っこは見えない』

●『結果をだす男 中田宏の思考と行動』

 

●「美し人」最新記事 ガラス作家・植木寛子さん

植木寛子

●「美しい日本のことば」

https://www.umashi-bito.or.jp/column/

(191023 第941回 写真は最近の朝刊の紙面。折込チラシ?)

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Profile

髙久多美男

髙久多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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