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紺碧の将

タンポポの美しさ

2010.07.10

 社会人になってから30年強、ジョギングする習慣がずっと続いていた。今、自宅が建っている土地も、ジョギングするにもっとも適した場所として選んだくらいだ。

 20代から30代までは夏の猛烈に暑い日、汗を滝のように流しながら走るのが好きだった(もちろん、今やると死ぬので、そういう無謀なことはしない)。36歳のとき、ホノルルマラソンも走った。47歳くらいまでは、毎年地元のマラソン大会に参加し、10キロを走っていた。

 おかげで同年代の男と比べて、体型はまだまだ崩れていないと思う。

 

 ところが、今年になって、急にウォーキングが愉しくなってしまった。今ではジョギングはほとんどしない。

 なぜ、歩く方がいいかと思えば、体に負担がない上に、音楽を聴いたり、風景を眺めたり、ゴミを拾ったり、とさまざまなことができるからだ。走っていたときは見逃していた風景に出くわすと、一人にんまりとしてしまう。さらに、ときどきデジカメを持って、植物を撮影する。これも走っているときは気づかなかったことだが、花の形、色、匂いなど、どんな芸術品も凌駕できないほど「完璧」である。拍子抜けしてしまうほどに。

 どうして今までこんなシンプルなことに気づかなかったのだろう。

 中でも驚くのは、タンポポの綿毛の美しさだ。あまりに見慣れていて、あらためて気にかけることもなかったが、まじまじと見ればこれほど不思議な形もない。文字通り、綿毛のような種子が適度な空間をあけ、球状に集まっている。いったい、誰がこのような形になれ、と指令を出したのだろう。

 

 足を止めて、パチリ。

 それが右上の写真である。

 

 ところで、今回のワールドカップ。嬉しいのはスペインが決勝に残ったことだ。現時点で優勝するかどうかはわからない。ただ、あれほど美しいサッカーを体現していたチームが最後まで残るというのは、サッカー界にとって、とても幸福なことだ。日本も大会前に戦術を変えて功を奏したように、今、世界のサッカー界は現実的な戦術を取り入れたチームが全盛だ。そういう趨勢にあって、相変わらず南米勢は愉しいサッカーをするが、ブラジルもアルゼンチンも負けてしまった。個人の卓越した技術や流麗なパスワークはもはや武器にならないのか……と嘆いていた折りのスペインの快進撃である。

 いつも大会前は「無敵艦隊」と呼ばれるが、本番に入ると、あえなく撃沈されてきたスペイン代表。今年はいけるかも。ぜひオランダを破って、美しいサッカーが勝てるということを証明してほしい。

(100710 第179)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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