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紺碧の将

国産ウイスキーの新参者

2019.06.13

 ――とうとう自国のウイスキーが飲めなくなった。これは世界的な食料奪い合いの前兆だ。

 数年前、本欄にそう書いた。「山崎」や「白州」「竹鶴」「余市」など、国産ウイスキーメーカーの主な商品が酒屋の陳列棚から消えて久しい。

 日本のウイスキーが国際的な酒類コンクールを総ナメしていることは喜ばしいが、それによって人気が高まり、国内市場に回す数が極端に減っているという。ただでさえ少なくなっているのに、バーやクラブなどが高値で買っているらしく、〝一般人〟には回ってこない。

 そんな事情もあって、先日、久しぶりにコニャックを買った。

 ところが、あんなに雑な味だとは知らなかった。若い頃、高級な酒というイメージを抱いていたが、印象はガタ落ちした。

 20代の頃、愛飲していたジャック・ダニエルも買ってみた。当時は1万円もしたが、今では2000円前後で買える。当時、旨いものだと思いこんでいたが、こちらも印象はガタ落ち。

 それならば、と、新興の国産ウイスキーメーカーの商品を買ってみた。それが右写真にある「甲州」である。

 ラベルもそこそこ品がある。なにより、甲州には「白州」の工場もあり、水がきれいなところというイメージがある。価格はなんと880円! 

 これが意外に旨い。少し甘みがあるのが難だが、マイナス点になるほどではない。まだ独自の味にはなっていないが、雑味も少ない。これならイケる。

 新興ウイスキーメーカーといえば、イチローズ・モルトが先鞭をつけたが、この「甲州」など、新顔が出始めた。昨年、甲子園を湧かせた金足農高の吉田投手が初登板初勝利をあげた。新しい芽はどんどん出てきてほしい。

 ふだん、日本酒党である私だが、夏はさっぱりしたものが飲みたくなり、いきおいウイスキーの出番が増える。

 サントリーとニッカによる寡占状態から脱する意味でも、新興企業の活躍は喜ばしい。今後の動向を注目したい。

 

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(190613 第908回)

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