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紺碧の将

市兵衛のまげ

2010.02.20

 広島の友人に美味しい寿司屋があるから、と案内された。その名は「さかもと屋 市兵衛」。

 店に入り、カウンターに座るなり、「おっとぉー!」目を瞠った。

 なんと大将、ちょんまげなのだ(写真右)。正確には商人髷と呼ぶべきだろう。

 そのビジュアルを見て、私は「気が合うな」と思った。どこを輪切りにしても平凡な人よりも、このように個性むき出しの人の方が気性が合うのだ。

 事実、話は意外な方向に進み、大将は、「学校で明治以降の歴史を教えるべきだ」と気炎をあげる始末。すかさずカウンター越しに握手を交わしたのは言うまでもない。

 それにしても、広島まで行って、寿司屋のカウンターでその店の主人と近代日本史について語り合うとは思わなかった。

 

 ところで、ちょんまげ大将が指摘するまでもなく、近代史や道徳を教えていない弊害はおびただしい。

 バンクーバー・オリンピックに出場した選手の服装問題は、もとをただせば今の教育にある。つまり、あのような品のない日本人を生んでしまったのは、今の大人が悪い。

 学校では「日の丸」や「君が代」の意味を教えず、ひたすら忌避する教師がまだまだ多い。そういう大人たちの姿を見て育った子どもたちに、国際舞台できちんとしろと言う方が無理がある。

(100220 第151 写真は「さかもと屋 市兵衛の河合氏)

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