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紺碧の将

よくわからない感覚

2018.11.28

 再び高尾山へ。

 この時期は紅葉シーズンとあって、人がごった返し。人の波を眺めながら、美しく色づいた木々の葉を堪能した。

 高尾山の魅力は先日書いたからいいとして、あらためて思ったことがある。山腹にある薬王院の御本社で参拝したあと、コンクリートでできた階段の手すりに目をやると、「ヤクルト、ヤクルト、ヤクルト……」と、太くて赤い文字が「これでもか!」という具合に並んでいる。よく見る光景だから驚く人は少ないかもしれない。しかし、あらためて見ると、笑みがこぼれる。なんと日本の寺院はおおらかなのか。言い換えれば、節操がないのか。「お金を出してもらったから名前を出しています」という感じがありありだし、そもそも景観上、はなはだよろしくない。社殿は精巧な技術で作られているのに、端々は新聞折込のチラシのようである。カトリックの教会では絶対にありえないだろう。

 この感性こそが日本人だ。仏はとことん大衆的で、カネにまみれていてもいっこう気にしない。

 私もこういう感覚がわからないではないが、正直なところを打ち明ければ、「いいかげんにしてくれないかな」である。もうちょっとやり方があるだろうに、と。美しく整いすぎた空間は、人を圧迫するということはわかる。だとしてもなぁ、と。

「いいんじゃない? そんなこと」とカズオさんなら言うだろう。

 ま、いいか。

 

「美し人」

美の生活化―美しいものを人生のパートナーに

 

※悩めるニンゲンたちに、名ネコ・うーにゃん先生が禅の手ほどきをする「うーにゃん先生流マインドフルネス」連載中。第32話は「褒め言葉は%0%に、苦言は150%に」。

https://qiwacocoro.xsrv.jp/archives/category/%E9%80%A3%E8%BC%89/zengo

(181128 第860回 写真上は高尾山の薬王院本殿前の階段脇。下は頂上の紅葉)

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