多樂スパイス

ADVERTISING

紺碧の将

旅がしたい

2018.03.06

 高卒で建築界の頂点近くに上り詰めた安藤忠雄氏が書いていた。自分を育ててくれたものは、読書と旅である、と。

 若い頃、彼は本を携え、あてどもなく旅をしたという。その時に得た体験が血肉になり、本で培った教養が体験を秩序立て、彼のフィロソフィーに涵養したと想像するに難くない。

 私もあちこちと旅をした。近場の時もあれば、地球の裏側へ行くこともあった。その時は、とくだん何かを得ているという感懐はない。しかし、時間が過ぎて、それらは私の脳内で発酵していった。いま、冷静に、平然と、自分のものの見方で世の中を渡っていけるのは、まさしくそれらの〝発酵物〟に負っていると言っていい。

 ひるがえって、いまはどうか。旅する機会がぐーんと減った。海外はアフリカへ行って以来だから、5年くらいご無沙汰だ。国内にしても、仕事の出張のついでに周囲を回る程度。これではいかん。

 くしくも来年で還暦。それを記念して、車で日本一周する計画である。それはそれとして、もっと気楽に、「そうだ、ちょっと時間が空いたから、○○へ行ってみようか」という心持ちにしたい。早くしないと、歩くのもおぼつかない老人になってしまう。

 

※悩めるニンゲンたちに、名ネコ・うーにゃん先生が禅の手ほどきをする「うーにゃん先生流マインドフルネス」、連載中。今回は「痛い思いをする前に考えるべきこと」。

 

https://qiwacocoro.xsrv.jp/archives/category/%E9%80%A3%E8%BC%89/zengo

(180306 第794回 写真上はミラノの街角)

 

ADVERTISING

Recommend

記事一覧へ
Recommend Contents
このページのトップへ