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紺碧の将

34号を重ねた『Japanist』

2017.07.25

 『Japanist』34号が完成した。

 ひとつ仕上げるたび、何かが積み重なっているのを感じる。経験、学び、人との出会い、さまざまな考え方や生き方の事例……。新しい読者がつき、去って行く読者もいる。
 生々流転。いまどき紙媒体を続けるのはきわめて困難だが、利点だけに着目すれば、じつに得難いものを与えてくれる。

 巻頭対談は、Jリーグの生みの親である川淵三郎氏とお馴染みの中田宏氏。
 バスケットボールの組織再編でも、「後ろを向いてる時間なんかない! 前を向いてどう解決するかを考えるんだ!」と組織委員たちを一喝し、短時日に成果をあげた。そのリアリズムは、芸術品のごとくである。
 類いまれな判断力と実行力、冷徹なリアリズム、説得力、広い見識……そのどれもが高いレベルで結実している。日本人にはなかなかお目にかかれない指導者である。竹を割ったような性格も接して気持ちいい。
 おそらく川淵氏が政治家を志していたら、超大物になっていただろう。
 「ジャパニストの美術散歩」はパリ在住の日本画家・釘町彰氏を紹介している。表紙の作品を見てもわかるが、端正で簡素で幽玄だ。こういう画題を描くのになぜパリ? と思う人もいるだろう。「周りにないからこそ、それを描く」。それも一理ある。
 シャープな日本画は、海外の美術ファンからも大きな支持を得ている。その理由もこの記事を読めばわかるだろう。ちなみに、8月2日〜8日、日本橋三越本店 本店6階美術画廊で「釘町彰展」が開催される。
 「転換期のキーパーソン」では〝沖縄の熱き男〟新垣治男氏に密着。沖縄に生まれ、育った彼だからこそ、歪められた沖縄を本来の姿に戻したいと、すべてを賭けて行動している。
 「100%まちがいなく活動は成功する」と言い切る氏の信念は、いったい何に由来するのか。
 「行動を起こせば、もれなく結果がついてくる」のお手本のような人生だ。
 その他にもハートのこもった記事を掲載している。

 

「いくらするの?」
「はい、税・送料込みで1500円です」
「ちょっと高いんじゃないの?」
「たしかに安くはありません。でも、ひとつでも心に響く記事があり、それがあなたの心に深く沁み込んでいったら、安いと言えるんじゃありませんか」
「それもそうね。じゃあ、これからずっと購読するわ」
 という感じで、買っていただけると嬉しいのですが……。
(170725 第739回 写真上は表紙と表4、下は巻頭対談の扉)

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