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紺碧の将

沖縄の風景の妙

2017.04.12

 前回に続いて沖縄ネタを。

 世界遺産という冠に惹かれて、今帰仁城趾に行った。今帰仁と書いて「なきじん」と読む。沖縄の歴史について詳しくはないが、1400年代、当時の三大勢力が争ったグスク時代の遺跡らしい。
 高台にあり、自然の要塞であることは本土のそれと変わりないが、やはり造りはおおらかである。もちろん、戦うための城なのだから、おおらかな気持ちで造ったわけではないだろうが、どうしてもそう見えてしまう。
 スケールが大がかりでもない。姫路城など、歩いて見るだけでもけっこうな時間がかかるが、この城は散策気分で全容を見ることができる。
 それでも世界遺産だ。世界の文化遺産なのだ。判断の根拠はなんだろう?
 ひとつ言えることは、周りに人工物がほとんどないため、往時の光景をイメージすることができるということ。
 今帰仁城趾ばかりではない。あちこちに時間の堆積を感じられるものがある。例えば、ガジュマルの大木だ。老齢の樹木に畏敬の念を抱く私にとって、剥き出しになった根が滝のように上から下へ伸びているガジュマルの大木は、それだけでひれ伏したくなる何ものかを湛えている。沖縄海洋博覧会公園を歩くと、あちこちにそういう木があった。こういう木の根元に寝そべって日がな一日夢想したら、いいアイデアが湧いてきそうだ。
(170412 第713回 写真上は今帰仁城趾。下はガジュマル)

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