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沖縄の、真っ赤っ赤な言語空間

2015.04.12

辺野古沖「うわー、真っ赤っ赤だ」

 取材のため沖縄を訪れ、ホテルにチェックインしたところで、ロビーに備え付けの地元2紙を読み、思わず声が洩れた。
『琉球新報』と『沖縄タイムス』。噂には聞いていたが、おどろおどろしい文言が躍っている。品性のない紙面に、辟易した。日本共産党の機関紙『赤旗』も真っ青である。
「沖縄県民はこんなものを毎日読まされているのか!」とため息が出た。
 新聞は言論機関なので主義主張があるのは仕方がない。しかし、多様な価値観を醸成するうえで不可欠な、公正な報道にはほど遠い。日本政府や米軍に対する過激な批判に対し、中国が南シナ海で一方的に工事を進めている軍港に関する米国艦隊司令官の批判的なコメントは、虫メガネで見るしかないほど小さな囲み記事だ。中国の資本、及び利権がこの2紙に及んでいるのは明白だろう。
 さて、今回の取材の相手は、異論をまったく受け容れない沖縄の地元紙に対して敢然と立ち上がった25歳の女性である。
 そもそもこの方、中3のとき、「勉強したかったから高校には行かないと決めた」というほど、自分で考え、行動している。アメリカへ交換留学するため、やむなく高校に入学し、すぐに渡米。1年4ヶ月後に帰国するや自主退学し、自力で早稲田大に入っている。もっとも、大学の授業にも失望したという。「生きた学問」を欲する人なのだ。
 普天間基地の2つのゲート(大山ゲート、野嵩ゲート)へ行った後、ある場所で嘉手納基地全体を見下ろし、いま紛糾している辺野古沖にも行った。
 外国の基地があることに対して反対運動があることは、当然の反応ともいえる。しかし、この反対運動は、尋常ではない。公道を占拠したり、不法侵入したり、あちこちに立ちションしたり、民家の玄関に車を停めたりと、やりたい放題だ。抗議すると、「反対運動に反対するのか!」とすごい剣幕で怒るらしい。警察もお手上げ状態だ。
「どういう人が反対運動に加わっているのですか」という問いに、くだんの女性はこう答えた。
「ほとんどが団塊の世代です。若い頃に全共闘運動に参加して、青春を思い出したいんでしょうね」
 現役で仕事をしている人では、毎日反対運動をすることは不可能だ。
 彼らを操っている人がいる。なにしろ、反対運動のテントに座っているだけで日当が支払われる。

 本心、彼らは基地反対とは限らない。青春時代の全共闘運動を思い出したい人、カネがもらえるからやっている人など、けっこうイイカゲンだ。
 当時の全共闘運動と同様、ここでも共産党が色濃く関わっている。共産党がどれほど恐ろしい組織か、わからない人が多いようだが、彼らの企みは沖縄でかなり浸透しているようだ。事実、沖縄では共産党の支援を受けなければ選挙での当選は難しいと言われるほど、「赤化」している。
 ちなみに、共産主義の本質は、社会に依存しなければ生きていけない「依存症」の人をたくさん生み出し、それによって社会を支配することだ。そのため、低所得者層に甘い言葉をかけ、巧みに籠絡する。自助努力をしている人が共産主義にかぶれた話など聞いたことがない。そういう意味でも、自分たちの努力によって豊かになっているという人を増やす、つまり、自立社会の底上げをしなければいけない。みんなが依存症になったとき、どうなるかは、ソ連や東ドイツが証明してくれている。そうならないためにも、ほんとうの産業振興が必要だが、利権があまりに肥大化し、それをするには膨大なエネルギーが要るだろう。
フェンスのテープ 全共闘運動を評価する人が一部にいるが、私はあれは社会の害悪だったと信じている。あのままあの運動が成就していたら、日本はかなり共産化しただろう。
 沖縄の民意は一枚岩ではない。政治家は「沖縄の民意」「総意」という言葉を使うが、あれほど極端な言論統制をしながら、選挙の結果は反対派と賛成派が拮抗している。ほんとうは賛成なのだが、反対派に狙われるのは怖いから、と声を上げない人も多いという。
 では、賛成派はどういう人たちかといえば、基地による経済振興策を呼び込みたい人たちでもある。いや、カネを求めているという点では、反対派も賛成派もない。それほど、沖縄経済は「基地の見返り」に依存しているし、見返りを出す側もそれによって大きな利を得ている。沖縄について知れば知るほど、利権がからんでいるということがわかる。沖縄を自立させないことによって潤う人たちがいるのだ。
 さて、くだんの女性。これから、さまざまな活動を展開するとのことだが、彼女のモチベーションはもちろん利権でもイデオロギーでもない。自分が生まれた沖縄をまっとうな地域にし、誇りを持てるようにしたいという一念だという。この素晴らしい国に生まれ、日本人として社会の役に立ちたいとも。
「地政学的に、どうしても沖縄に基地があるのはしかたがないと思います。それによって、日本の安全保障が保たれているのですから。私たちはむしろ、それを誇りに思うべきです」
「沖縄は本来、ポテンシャルがある島です。私たちが頑張れば、もっと豊かになれると思います」
 薬漬け(補助金頼り)から脱却するのは容易ではないと思うが、正しい活動を続けていれば、必ず風は吹いてくると信じている。
(150412 第552回 写真上はキャンプシュワブに隣接した辺野古埋め立て予定地。下は普天間基地ゲートのフェンス。テープで文字を書いている。剥がした人が怪我するよう、テープの中に針が入っているという)

Profile

高久多美男

高久 多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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