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紺碧の将

病気を増やす広告

2014.05.10

嫌な広告 ありていに言えば、日々感動し、憤慨しているが、今回は後者の話だ。
 電車に乗ると、憤慨することが多い。特に、駅構内の雑踏で歩きながらスマホに見入っている人のなんと多いことか。歩きながら見なければいけないほど大事な情報が詰まっているのだろうか。そもそも、あれだけの人ゴミの中で周囲に目を向けないで歩くというのは、自分を「オレ様、ワタシ様」だと思っている証拠。今まで、ぶつかりそうになって、何度叱りつけたことか。「ちゃんと前を向いて歩け!」と。そのうち、ケンカになり、新聞沙汰になるかもしれないと思いつつ、叱り飛ばすのをやめることができない。
 近頃はヘンな広告が車内に張り出され、これまた憤慨している。右上のポスターがそうだが、要するに糖と脂肪の吸収を抑える飲料水の広告なのだ。これは笑い事で済まされない。このポスター以外に、寿司バージョン、カレーバージョンがあるのだが、ごはんを悪者と決めつけている。ごはん=糖で、ごはんを食べるからおかずが欲しくなり、そのため脂肪を摂りすぎるという言い分だ。
 ごはん=糖という図式がなんとも姑息だ。つまり、ごはんを食べると太りすぎる、健康に悪いと言っている。では、一人当たりのコメの消費量が今よりもずっと多かった戦前は病人ばかりだったか? がんはいまほど多かったか?
 ごはんは重要な栄養分であるデンプンを摂取できる理想的な食物だ。しかも、長年、日本人の心身をつくってきたということは、DNAにしっかりと組み込まれている。長年続いた食文化がいきなり変わったとき、病気が増えるのは歴史の証明するところだ。栄養的には玄米や雑穀を混ぜたごはんと味噌汁、そして2品くらいの、いわゆる一汁二菜がいかに日本人にとって理想的だったか、このメーカーや広告をつくった奴らはわかっていないようだ。おそらく、彼らは病気もちばかりだろう。
 そもそも、こういう大量生産の飲料水が体にいいわけがない。大量に安く作るには、必ずなんらかの「秘策」がある。秘策はすべてといっていいくらい、自然に反している。人工的につくりだすのだから、当然だろう。それを、「からだすこやか茶W」などと銘打ち、いかにも健康にいいとアピールする無神経さ・無知さがどうにも我慢ならない。こういう広告を真に受けた人は、「そうか、ごはんは体に悪いんだ」と思うようになるだろう。そして、日本はますます「病人国家」になっていく。国民医療費が38兆円を超えているなんて、どう考えても異常だ。どんなに仕事で成功し、お金持ちになっても病気ばかりじゃ幸せとは言えまい。
 じゃあ、おまえはどうなのだと言われるかもしれないが、いちおう、健康体は保っているつもりだ。何度も書いたが、創業以来、27年以上、病気で仕事を休んだことはないし、今でも毎日8時間半〜9時間の睡眠を保っている。食事も便通も一日2回。基本は食べた回数だけ出す(笑)。酒は年365日、適量を飲む(ビール、純米酒)。ちなみに、適量は体が教えてくれる。定期的に運動を取り入れ、特に食事はなるべく「いいものを適量」を心がけ、時には排泄するために、悪いものも摂る。薬は飲まない。もちろん、「からだすこやか茶W」のようなヘンな飲料水も飲まない。
 他にもいろいろあるが、ひとこと言えるのは、毎日体は快適そのものだということ。「起きているときは100%完全燃焼」を目指す私に、健康な体は欠かせない。ちなみに、「100%燃焼」は。仕事ばかりじゃない。仕事も遊びも休息も完全燃焼という意味だ。
 明治の軍医であり食養を唱えた石塚左玄は言った、「食は本なり。体は末なり。心はそのまた末なり」と。つまり、日々の食べ物がその人の体をつくり、心をつくっているということだ。左玄が玄米ごはんを主とした献立を最良としたのは言うまでもない。
(140510 第504回)

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