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現代のサムライ

2007.10.27

 去る10月20日、宇都宮市の護国会館で行われた中田宏・横浜市長の講演を聞いた。

「また、中田さんの話かぁー?!」と苦笑する人もいるだろう。しかし、ここはぐっと我慢しておつきあいしてほしい。

 演題は「『余儀なき改革』から『創造的改革』」。

 内容は演題から察しがつくだろう。

 これまでは、今まさにそれをやらなければ後世誰が責任を取るのか? といった喫緊の課題に手をつけてきた6年間であった。必要に迫られた改革であったわけだが、ここに至り、緊急の課題は解決のスパイラルに向かっていると判断し、中田氏本人は本来やるべきこと、つまり自らのビジョンを構築するための仕事に取りかかっているという内容だった。

 それもそうだ。乾いた雑巾を絞るだけでは、いい社会は築けない。

 ひとことで言えば、自信に満ちあふれた講演だった。中田改革に対して異を唱える人は多いが(特に利益を阻害されている人たち)、そんな輩の恨み事なんぞに関わっている暇はない! という気迫のこもったスピーチだった。かなり早口だが、滑舌がしっかりしているので聞き取りやすい。時間あたりの情報量は問答無用にニッポンイチではないか。ご存知のように、ほとんどの政治家は言質をとられないように、言葉を慎重に選んで、それでも思ったことのいくばくかしか言わないようにできている(そのわりにはくだらない失言をする人が後を絶たないが、彼らはもともと人の上に立つような人間ではなかったのに、まちがって選ばれたしまった不幸な人たちである)。だから、中田さんのスピーチは聴いていて爽快だ。

 それはさておき、講演の後の懇親会において彼が語った言葉が印象的だった。

「文芸的な表現で申し訳ないんだけど、僕はさしちがえる機会を探して旅に出ているようなもの。たいがいは、さしちがえる覚悟を決めていれば、解決がつく。ただ、本当に自分のすべてを投げ出さなければならない時がいつか、その時を見誤らないようにしようと思っている。その時は、本気でさしちがえる覚悟です」

 そこまで覚悟の上で仕事に取り組んでいるとは! まさしく現代のサムライだ。

 私もあえてリクエストをした。

「3期務めるとして、あと6年。6年が長いか短いかわからないが、長いスパンで見れば非常に短い。中田さんが横浜市長を退いた後も、この社会は続くし日本という国も続く、その後、横浜市民が新しい市長を選ぶとしても、それによって大きな揺り戻しがないよう、今から中田さんのカラーで簡単には揺り戻しできない仕組みを作ってほしい」と。

 中田氏は、まさに、そういうことをしたいと答えてくれた。

(071027 第18回 写真は壇上の中田宏氏)

 

 

 

Profile

高久多美男

高久 多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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