多樂スパイス
HOME > Chinoma > ブログ【多樂スパイス】 > 鯛山センセイ、降臨

鯛山センセイ、降臨

2007.09.17

 朝4時頃、胸が苦しくて目を覚ますと、なんと胸の上に見川鯛山先生が腰をおろしていた。

「あれ鯛山先生、いつお戻りになったんですか?」

「しばらく前だよ。それにしても相変わらず爆睡していたな」

 そう言いながら鯛山先生はピョンとベッドを降りた。

「90歳近いとは思えないほど身軽ですね」

「アッチへ行ってからますます軽くなったみたいだ」

「アッチは愉しいですか?」

「いやいや。退屈でしかたがないよ。釣りもスキーもできないし、だいいちべっぴんのオネエちゃんの診察もできない」

「いつもジイちゃんバアちゃんしか診ていなかったという話でしたが」

「えー? そう言ってた?」

「は、はい」

「退屈だから高久君はどうしてんのかなと思って降りてきた。少し年寄りの茶飲み話につきあってくれや」

 鯛山先生はその場にあぐらをかき、巻いていたマフラーをはずす。まだ暑い日が続くのに、アッチではマフラーが必要みたいだ。

「それにしてもなんだな。上から見ていると、今の政治家どもや経営者どものバカのコンコンチキは束にしてアッチへ拉致したいくらいだな」

「鯛山先生、いつから政治や経済に興味を持ったんですか」

「だからね、アッチは退屈なところなの。高久君ならとっくの昔に発狂して死んでるよ」

(?????)

「それにな、オレはちっとはアベってヤツに期待していたんだけど、なんだありゃ? おじいちゃん(岸信介)が地団駄踏んで悔しがっていたよ。あいつは孫じゃねえって。だいたい靖国参拝をやめた時点で終わりだ。そう思わんかタカク」

「は、はい」

「それにだな、国民もみっともねぇぞ。年金年金って、自分の御身ばっかり気にしてやがる。腐った政治家どもも金に目がくらんだ経営者どもも身勝手な国民も、アッチから見ればみんな目くそ鼻くそだ。ヘンッ!」

「鯛山先生、アッチへ行かれてから人が変わりましたね」

「そーぉ?」

「なんていうか、好戦的になったっていうか」

「だから言ったじゃないか。あっちは退屈なんだよ。オネエちゃんのスカートまくったくらいで非難されるし」

「それはコッチの世界でも同じなん……」

「それにだな、なんだ今のバカ教師どもは……」

 鯛山先生はますます過激になり、私は疲れ果てて眠ってしまったのでした。

(070917 第11回 写真はありし日の鯛山先生と筆者 ※撮影/ん太郎 )

 

 

 

Profile

高久多美男

高久 多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

多樂塾

SPONSORED LINK

ココロバエ

Topics

記事一覧へ
Recommend Contents
このページのトップへ