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紺碧の将

相手の格によって使い分ける美食外交

2012.01.17

 本ブログでも何度か書いたが、およそ7時間くらい並んでパリのエリゼ宮を内覧したことがある。ふだん、一般人は入れないどころか、警備が厳しくて近寄ることもままならない。しかし、偶然にも年2回の開放日に遭遇し、エリゼ宮の内部をつぶさに見ることができたのだ。

 多くの部屋を見ながら、圧倒され続けた。というのは、部屋(ダイニング)の数もさることながら、部屋の大きさや室内装飾、テーブルコーディネートなど、「相手の格に応じて使い分けるフランスの美食外交」の真髄が形をなって現前としていたからだ。その差の付け方は、露骨と言ってもいい。くわえて、料理やシャンパーニュ、ワインなどでも相手に応じて差をつける。驚いたことに、シェフからあがってきたメニュー案を最終的に了承するのは大統領だという。今のサルコジ氏がその重責を果たしているかどうかわからないが、なんともスゴイ国である。つまり、粗野な人ではフランスのトップは務まらないということ。

 反対に、日本の首相は「庶民的」であることが親しまれている。私としては、ドジョウなんかより、ピューマとかイルカとかハヤブサなどのイメージの方が好きだが、愚鈍なリーダーが好きな日本人はそうではないらしい(野田さんが愚鈍という意味ではない)。

 もっとも、結果よければすべてよし。野田さんは、たとえ捨て石になったとしても政界再編の導火線に火をつけてもらいたい。

(120117 第311回 写真はエリゼ宮の内部)

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