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格言集
偉人たちの言葉には、いつの時代にも通用するメッセージがこめられています。
それぞれの時代を懸命に生き、一事をなした彼らの一言だからこそ、今もなお私たちの心を揺さぶり続けるのです。
この格言集は、古今東西の格言・名言をご紹介する不定期コラム。
みなさんの“心の栄養”として、時折ご覧いただければ幸いです。

今日の格言
健全なる身体に宿れる健全なる精神
ユヴェナリス(「諷刺詩」より)
 小学校の教室に標語として掲げられていたこの言葉が「健全な体にこそ健全な精神が宿る」というような優生思想的な意味では決してないことを知ったのは、つい最近のことだった。表題ではあえて「宿れる」としてあるが、この格言の原典であるユヴェナリスの詩には、身体と精神を関連付ける「宿れる」という言葉は存在しない。
 人の欲望には再現がない。名誉、金、地位・・・。それらは身を滅ぼす元凶である。幸せになるために祈るのならば、せいぜい「健全な身体と健全な精神」であると、ユヴェナリスはいう。
 健全な身体と健全な精神というたった二つでさえ、あわせもって天に旅立つことのできる人がどれほどいるかを想えば、古代ローマの詩人が示したシンプルな生き方は、現代日本という複雑を極めた時代にこそふさわしい。
欲で目が見えなくなる人があり、欲で目を開かれる人がある。
ラ・ロシュフコー
現代のさまざまな問題点を、「人間の我欲によるもの」とする論調が多いが、「欲」も多種多様であることを忘れてはいけない。
ロシュフコーはマキャヴェリストの急先鋒。人間の心の影の部分を見つめ、的確な言葉にしている。その中には真理をついた言葉が少なくない。
人は、責任のとれないことばかり大声で叫ぶ
小林秀雄(講演集より)
 小林秀雄の才覚が発揮されたのは紙の上ばかりではなかった。その講演はいずれも名演ぞろい。講演をまとめたCDが何枚か市販されているが、それらをまとめて聴くと、下手な大学に通うよりよほど多くの知恵と示唆を得られる。しゃべりは決して達者でないが、朴訥としたトーンの中に妙な力がある。
 この言葉もまたその講演集のなかで小林が放った言葉。
 群れて、己の身を集団のなかにまぎれ込ませ、そのくせ声だけはでかい。その唱えるところは、何一つ、自分で責任のとれないことばかり。
 そういう類の言論や運動に辟易した小林の嘆きである。
 まるで今の政治に対する一喝のようだ。
生まれたときの、子どもの頃の、初めて知ったあの感動を取り戻したい。この望みをかなえるまで、気を抜かず、わくわくしながら最後の旅を終えたい。
『ひとりで生きる 堀文子の言葉』
「群れない、慣れない、頼らない」をモットーとし、自然の中に身を置き、孤独と向き合いながら絵を描き続ける94歳の画家・堀文子の言葉。
修行僧のように自分に厳しく、それでいて誰よりも純度の高い幸福を味わっている。
死生観といい、命のとらえかたといい、自身の人生から得た哲学は、あとに続く者への道しるべにもなっている。