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Weekly Interview

人の数だけそれぞれの人生があり、物語があります。 本ブログでは週に一回、インタビュー形式でさまざまな物語を紹介します。

Interview Blog Vol.10

自営でお店をやっていると、自分が軸なんだなってつくづく思います。

カフェ・ケイティー 中村淳一さん・麻子さん

2017.07.17

 

いろんな人が交わる場所

 『Japanist』の編集拠点「Chinoma」の真下にある「カフェ・ケイティー」は、驚くほど美味しいコーヒーを出してくれる、いまどき珍しいカフェ。しかも、全席禁煙です。

 パリのカフェがサロンになったように、この店には多士済済、さまざまな人が集い、味わいのあるひとときを過ごしています。

夫婦お二人できりもりしていらっしゃいますが、ここに店を構えようと思ったきっかけを教えてください。

<淳一さん>
 もともとここは、僕の叔母の知り合いがカフェをやっていた場所だったんです。
 ずっとお店を持ちたいと思っていて、6年間、パン屋で働いた後、某大手コーヒーチェーンに転職し、カフェのノウハウを学びました。入社してすぐ、僕の求めているカフェではないことに気づいたんですけどね(笑)。それでも学ぶことはたくさんありましたし、妻との出会いもあったのでよかったです。結局、そこで10年間働きました。
 不思議なんですけど、いろんな偶然が重なって、僕たちは導かれるようにして、ここに来ることになったんです。居抜きでしたから、設備やテーブルなど、すべて前のオーナーから引き継いだものですが、エスプレッソマシンがあったことが決め手でしたね。
 オーナーが変わると、客層もがらっと変わりました。

奥様の麻子さんもご主人と同じようにお店を持ちたいと思っていたのですか。

<麻子さん>
 そうですね。ただ、以前は海の生き物に関わる仕事がしたくて、某水族館ではイルカの世話をしていたことありました。小笠原に住んでいたこともあります。
 でも、自分には向いていないということがわかったんです(笑)。泳ぎの技術がレベルに達していないということもありましたけど、それ以上に、自分自身が楽しめていないなって。結局、理想を追い求めていただけだったんですよね。
 小笠原では得るものが多かったですね。住み込みで民宿のお手伝いをして、女将さんから料理を学んだことで、料理の楽しさを知りました。今、こうやってお店でいろんな料理が作れるのも、あのときの女将さんのおかげです。
 夫と出会ったお店では、接客を学べたのがよかったです。接客マニュアルがなかったおかげで、お客さんの反応を見ながら自分で考えて対応するということは、今でも役立ってます。

オープンしたのはいつですか。

<淳一さん>
 2011年の3月8日です。その3日後に、東日本大震災がありました。そのせいもあってか、最初の2、3週間は1日5、6人程度しかお客さんが来なくて、売上も1日5,000円ほどでした。「これからどうする?」って、もう不安でいっぱいでしたよ(笑)。「今日は店を閉めて買い出しに行こうか」って、そんな日もありましたね。
<麻子さん>
 最初はコーヒーとケーキだけのお店にしようと思っていたんです。だけど、軽食もあったほうがいいだろうってことで、カレーとサンドイッチも出すことにしました。
 キッチンの都合上、あまり手の込んだ料理も作れないし、量も限られますから、それ以上は無理だろうって。

集客のためにいろいろ工夫をされていますね。

<淳一さん>
 オープン当初、お客さんに言われたことがあるんです。看板は一つでいいと。
「ちょっと外に出てみて」って言われて外に出ると、「こんなに看板はいらない。ごちゃごちゃして、せっかくのお店が台無しでしょう」って。
 同じことを、別のお客さんにも言われたんですよ。それで、看板を減らしたりメニューの書き方も工夫しました。
<麻子さん>
 その頃はお客さんを呼び込みたいがために、あれもこれもって出してたんですよ(笑)。でも、言われたとおり一つにしてから少しずつ変わりましたね。そうやってお客さんからアドバイスをいただくことがよくあります。変えられるところは、ちょっとずつ変えていくようにしています。
 ランチメニューもできる範囲で工夫しながらバリエーションを増やしています。常連のお客さんも増えて嬉しいですね。

店作りでこだわっているところはありますか。

<淳一さん>
 ありますよ。まず、全席禁煙にしたことです。あと、コーヒーを出してもパソコンに向かっている人は嫌ですね。コーヒーを脇に追いやって、冷めた頃に急いで飲み干して帰っていく。そういうのって、どう思いますか?
 仕事で急いでるのはわかりますけど、せっかく一番いい状態で出しているのに、そうされちゃうと悲しくなります。せめて、コーヒー一杯の時間だけでも、手を止めてゆっくりくつろいでほしいですね。

お店をやってよかったと思うときはどんなときですか。

<淳一さん>
 人との出会いですね。いろんな職業の人たちが来て、いろんな話を聞かせてくれます。このお店をやっていなければ、出会えなかった人たちばかりで、そこからまた縁が広がっています。
 全席禁煙にしたときもそうでしたが、いろいろ条件を絞っていくと客層も変わってきます。もちろん、それで一時売上は下がります。でも、それでも自分がいいと思うお店にしたい。  
 “いい方向に、とんがったお店”っていうんでしょうか。今はお金じゃ得られないものを得られています。

今後の店づくりで、夢や目標はありますか。

<麻子さん>
 私は自分が行きたいと思うお店にしたいです。ここにきてよかったと思うような、その人の何かのきっかけになるような。いい本やいい音楽、心と体が癒やされるような物を置いて、お客さんがくつろげるような場所にしたいです。
 ここから何かいい影響が広がる、そんなお店にしたいですね。
<淳一さん>
 僕、焙煎機がほしいんですよ(笑)。今は月に一回、焙煎場に行って焙煎してるんですけど、それだと、やっぱり色も風味も微妙に変わっちゃいますからね。焙煎機があれば、そのつど焙煎して、一番いい状態でコーヒーを煎れることができます。
 最高のコーヒーをお客さんに提供したい。そのためには「焙煎から」っていうのが、僕なりのこだわりです。
 とにかく、コーヒーにはこだわりたい。
「ああ、美味しいコーヒーだった」って思ってもらえたら最高ですね。

 

【CAFE KATY カフェ・ケイティー】
〒162-0843 東京都新宿区市谷田町2-7-15 近代科学社ビル1階
TEL .03-3267-1530
営業時間/月曜日 8:30~10:00 、11:30~16:00
    火曜日〜金曜日 8:30~10:00、11:30~20:00(LO)
     土曜日 11:30~18:00
定休日/日曜日・祝祭日(その他、臨時休業あり)
<アクセス>
JR総武線・中央線 JR市ヶ谷駅より徒歩8分
有楽町線・南北線 市ヶ谷駅5番出口より徒歩2分

 

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