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紺碧の将

力を合わせて復興だ

2011.03.15

 とてつもない大惨事になってしまった。テレビで被害の状況がわかるにつれ呆然となり、胸の奥がキリキリと痛むかのように苦しくなる。いったい、なにゆえあの人たちはあのような目に遭わなければならないのか。石原慎太郎都知事の言うように、本当に天罰だとしたら、それが下るべき人たちは他にたくさんいるだろう。自然を相手に仕事をし、つつましく暮らしていた(であろう)人々を地獄に陥れる理由などあろうはずがない。

 それはそれとして、私たち日本人は今回の大災害をきっかけに、もう一度団結しなければならない。自分本位ではなく、みんなの幸せを考える社会を再興すること、それこそが亡くなられた方々に対する本当の追悼になるような気がする。

 幸い、困難に直面した時の日本人は、はかりしれない底力を発揮する。それは歴史が証明している。歴史的事象は個々のDNAに蓄積されているはずであり、一朝一夕で消え去るものではない。だから、もう一度、われわれ日本人は世界に向かってお手本になるような底力を発揮し、示さなければいけない。

 「なるほど、あんなにひどい災害も、人々が力を合わせれば解決できるんだ。そう考えれば、解決できないものなどないよな」と思わせることだ。

 

 右上の写真は新宿御苑にあるアメリカキササゲである。昭和34年に選定された「御苑銘木10選」に入っているので、昔は立派だったのだろう。しかし、台風か落雷に遭ったのか、倒れてしまった。

 ところがどうだろう。人間の手によって再び息を吹き返している。なんとも痛ましい姿だが、同時に力強くもある。その気になれば、再生できるのだということをこの大木は教えてくれている。

 

 ある本に出会った。『植物は気づいている』(クリーヴ・バクスター著 日本教文社)。

 バクスター氏はもともとCIAの一員で、嘘発見器の権威であった。

 ある日、ふと、「植物に嘘発見器をつけたらどうなるのだろう」と思った。そして、葉っぱをライターで燃やしたらポリグラフはどんな反応を示すのだろうと思った瞬間、嘘発見器のポリグラフは大きく振幅したのであった。バクスター氏は大いに驚き、その後、さまざまな実験をする。

 それでわかったことは、植物は人やあらゆる生物の反応を知覚しているということであった。ヨーグルトに含まれるバクテリアや鶏卵、はては人間の精子に至るまで、知覚していた。自分を面倒みてくれている人が外出していた場合、何十キロ離れていようが、その人が「家に戻ろう」と思った瞬間、家にいる植物たちは反応する。

 バクスター氏はそれらの実験をまとめ、発表するが、科学界からはさんざん批判される。「並外れた主張には並外れた証拠が要る」というわけだ。当然のことだが、植物相手の実験の場合、2回目以降は同じデータになるはずがない。なぜなら、“慣れる”からだ。そこが無機物との大きな違いだが、既存の大半の科学者たちは自分たちの領域を侵されるのが嫌なのか、バクスター氏を認めようとしなかった。政治も科学も同じような既得権益があるのだろう。

 同書には、マックス・プランクの次のような言葉を引用している。

 

 「新しい科学的真理が勝利を収めるのは、反対者を説得して彼らを啓蒙することによってではない。勝利は、反対者がやがて死んでいき、新しい科学的真理に慣れ親しんだ世代が成長していくことによってもたらされるのだ」

 

 なんとも意味深長な言葉ではないか。

 私は、日本再興もそのような経緯によって果たされると思っている。「日本は悪いことをした」と頭から思い込んでいる人たちの考え方を変えることは不可能だろう。世代交代によって、まっとうな思考をもった人が活躍する場を創出する以外にないのではないだろうか。その場合、バクスター氏が唱えるバイオコミュニケーション(原初的知覚)は多くの可能性を秘めている。特に情報伝達においては画期的な変革をもたらすにちがいない。

 大震災の話から飛躍してしまったが、要するに、私たちは今回のような大惨事からも学ぶこと、得ることがあるはずだということ。そして、日本人が一丸となって、被災地の復興を果たそうではないか。国家予算もギリギリまで切り詰め、復興地に回すべきだ。

 

 あらためて、このたびの東北沖大地震によって被害に遭われた方に心からお見舞いを申し上げるとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。

(110315 第236回)

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