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紺碧の将

とんでもなく美しい銀閣寺

2010.12.05

 今年の秋の京都、訪れたのは銀閣寺、西本願寺、永観堂、南禅寺、京都府植物園だった。

 京都の紅葉はどこへ行っても言葉にできないほど美しいが、とりわけ永観堂のそれはひときわ鮮やかだった。

 と、それはさておき、今回あらためて感じたことは、足利義政の「とんでもない美意識」だった。銀閣寺は見れば見るほど「とんでもない寺」だ。

 まず、総門から中門までの参道までがとんでもない。日常と隔絶した美の空間へのアプローチとして、これほど期待感を高める仕掛けもない。

 中に入ると、「とんでもない」の連続だ。中心になっている観音殿(銀閣)はもちろんとんでもないし、東求堂(とうぐどう)、錦鏡池(きんきょうち)、砂を波形に盛り上げた銀沙灘(ぎんしゃだん)、そして異様な円錐形の向月台など、その絶妙な配置は犯罪的にとんでもない。こういう美を求める人は、はっきり言って罪人です。

 しかも、展望所から見る全体の風景がまたとんでもない。色とりどりの葉の色に、人が作った造形美が拮抗している。義政は政治家としてはとんでもなく無能だったが、美意識にかけてはとんでもなく超人的だった。

 願わくば、いつか雪の銀閣を見たいものだ。雪の金閣もいいが、雪の銀閣は格別だろうな。

(101205 第213回 写真は展望所から見た銀閣寺境内)

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