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紺碧の将

大久保公哀悼碑

2010.09.15

 昨日、民主党代表選があった。

 2週間にわたる選挙戦において、両陣営から発信されたメッセージはすべて「自分たちへの投票」を促すものばかりで、「どのような国家にするのか」とか「この難局をどう乗り切り、日本を立て直すのか」という視点で語られたことはただの一度もなかった。景気対策の予算をいくら増やすとか、地方に自由に高速道路を作らせるとか、子どもでも考えつくような幼稚な論戦に終始していた。

 対する党員たちも、今ここでどちらにつくことが将来の自分にとって有利になるか、という考え方で行動しているのは火を見るより明らかだった。

 

 思えば、明治初期の圧倒的な難局を全身全霊で乗り切った大久保利通は、凄かった。小沢一郎氏は、大久保の功績は伊藤博文や大隈重信の比ではないと言っていたが、それがわかっていて、どうして今のような体たらくなのだ、と問いたい。

 それはともかく、大久保利通の遺徳を偲ぶために明治政府の同僚たちが作った哀悼碑が麹町の清水谷公園にある。大久保は明治11年5月14日朝、赤坂御所へ向かう途中、紀尾井坂で暗殺された。西南戦争を片付け、いよいよ日本の基盤作りに精力を傾けん、という時の災難であった。

 哀悼碑は高さ6.27メートル。緑泥片岩でできており、裏面には「贈右大臣大久保公哀悼碑」と彫られている。

 深々と頭を垂れ、黙祷を捧げた。

(100915 第191回 写真は裏側から見た哀悼碑)

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