多樂スパイス
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What's TarakuSpice?

自分が好きなことを見つけて無我夢中で取り組み、ひとつずつ目標をクリアする。そうやって愉しみながら、自分という人間をぶ厚くしていく……。今がベストで、未来には未知の楽しみがある。これが、多樂の本質である、と『多樂スパイラル』のまえがきで書いたが、その原理原則は今も変わっていない。

日々の生活のなかで、森羅万象に潜む多樂をいかに味わうか。心に映りゆくよしなごとを書き留めておこう。それが読者の方々にとって、なんらかのスパイスになればとの願いもこめて…。

 

Blog TarakuSpice

ジョギングすること

2010.01.24

 一昨日の夜、東京から戻り、昨日と今日の週末はずっと家にいた。いつものコースを土曜日はジョギング、日曜日の今日はウォーキングしたのを除いて。

 20年前、今の住処に引っ越してきた理由は、ただ近くに快適なジョギングコースを得んがためである。(前の住居からたかだか数キロの移動だったが)。それ以来、県の総合運動公園は私にとって欠くべからざる場所になっている。

 近所の桜並木を抜け、環状線に出て東へ。すぐさま運動公園の敷地に入り、陸上競技のスタジアム沿いに走って遊園地(ジェットコースターなどの基本設備が揃っている小さな遊園地)、飛び込み台のあるプール、テニスコート、相撲の土俵などを抜け、水生植物園に入る。その後、野球場を2面走り抜け、サッカー場とラグビー場などを囲んだ1周1キロの桜並木のジョギング専用コースを走る。そして、野球のスタジアム沿いに走って陸上競技場に戻る。

 広い敷地内はありとあらゆる木が繁り、四季おりおりの姿を見せてくれる。走りながら西向きに方角を変えると、正面に男体山がデンと現れる。以前は真夏が好きで、炎天下、400メートルのインターバルを10本などというバカげたテーマを自分に課し、倒れる寸前まで体を酷使したが、今はのんびりと冬の景色の中を走るのも好きである。

 なぜなら、木の姿がはっきりとわかるから。常緑樹を除けば、ほとんどの木々が葉を落としているので、どんな幹でどんな枝振りなのか、わかるのだ。

 言ってみれば、木のヌード。次々と目の前に現れる木に対して、「案外、スマートだね」とか「君、着やせするタイプ?」などと心の中で話しかけながら走る。そんなこんなが妙に心地良いのだ。

 

 つくづく、私にとって宇都宮は活動拠点として最適の場所だと思う。冬はちょっぴり寒いけど、このピリリとした寒さが精神を高めてくれる気がする。私はアジアのリゾートが好きなくらいだから、暖かいところが好きなのだが、たぶん暖かいところに住んだら怠けると思う。けっこう享楽モンだからね。かといって、雪深い地方には住めそうにない。ウィンタースポーツはやらないし、そもそもタイヤのチェーンを巻いたことさえない。

 そういう私にとって、宇都宮はちょうどいい立地だ。大好きな日光は、思い立ったらすぐに行ける距離だし、東京への距離も絶妙だ。以前は上京するときは必ず新幹線を使っていたが、今では滅多に使わない。すぐに着いてしまい、いかにも即物的だ。在来線を使っての1時間半はとても快適な時間である。本を読んでもいいし、思索に耽ってもいいし、少し眠ってもいい。とにかく、グリーン車の中で一人静かになれる時間というのは至福の時間である。

 人口50万人というのもちょうどいい。人が多すぎると疲れるし、少なすぎては仕事にならない。私の本業である広告の企画・制作業は典型的な都市型の業種なので、これ以下の人口では会社を継続できるほどの仕事量はなかなか得られないと思う。

 

 とにかく、今の生活基盤である宇都宮は、自分にとってとても快適であるということに最近になって気づいた。『Japanist』を作るには、途方もない、それこそ命を削るような(自分で言うのもナンだが)集中力が必要だが、現在の生活環境はそれに適う。取材、原稿、デザイン、原稿依頼から撮影の手配、校正、文字の一字一句の修正、請求書発行など、ほとんどを一人でやっている。正月前、骨の髄まで疲労困憊になった時、1円にもならない仕事をこうまでしてやり続ける自分はなんてバカな男なのだろうと呆れ果てた(もちろん、仕上がった後、いろいろな反応はそういう思いを雲散霧消させるが)。そういう長時間集中型の仕事は、集中できる空気のなかに身をおいて仕事をするということが重要なのだ。

 エッセイ集『多樂スパイラル』にも、「もし長期入院したら、いつものジョギングコースを無性に走りたくなるにちがいない」と書いたが、今でもそう思う。

(100124 第146 写真は、愛用のジョギングコース)

 

 

 

 

 

 

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