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紺碧の将

神木に呼ばれて

2010.01.12

 天心記念五浦美術館へ行った帰り、ある大木に呼ばれて立ち寄った。

 白神のマザーツリーの時もそうだったが、まさに「呼ばれた」感があったのだ。

 それが右の写真である。幹線道路沿いにある八坂神社のシイの大木である。地上約3メートルのところで二股に分岐し、それぞれに雄大な枝振りを誇っている。しめ縄がなくとも「神木」であるということはわかる。主幹の部分は中が腐食し、空洞になっているが、それでも朽ち果てない。まさにカミワザであろう。

 

 こういう木は、なんらかのメッセージを発している。

 意志をもっているとしか思えない。言葉は発しないが、言葉以上のオーラを発している。なぜなら、その姿から判断して、とても生きながらえる状態ではないのだ。それでもこうして生命を維持している。これは常識を越えた「生きる力」によっている。「生きる意味」があるから、そういう力が生まれたのだと思う。

 特段、私は霊感があるわけでも動植物と会話が交わせるわけではないが、最近、老木の佇まいに感嘆するようになった。

 「おっ、ここにいらっしゃいましたか。それで何か御用でしょうか?」

 心の中で、老師にそう語る。

 「まあまあ、なにもないがゆっくりしていきなさい」

 今年はなるべく多くの神木に出会いたいと思っている。もちろん、優れた「人物」にも。

(100112 第143)

 

 

 

 

 

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