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紺碧の将

衆愚政治への道

2018.05.09

 国会が19日ぶりに正常化する。

 日本は今、衆愚政治への道をまっしぐらに進んでいる。民主主義の最大の長所であり短所は、年齢制限は別として、だれにも等しく一票の権利があることだ。世の中が良くなってほしいと切に願う人も一票、他の人なんかどうでもいい、自分だけよければいいと思っている人も一票。どんな人にも両方の面があるが、どちらの割合がどれだけ多いかで、政治の質が変わってくる。「国民のレベル以上の政治にはならない」という言葉は、そういうことだ。

 一人一票という制度は、悪用もしやすい。結果的に社会が悪くなると知りつつ、より多くの票を集められる政策を掲げれば当選しやすい。また、多くの有権者を煽動することによって政敵にダメージを与えることができる。

 今、世の中で繰り広げられていることは、まさに衆愚政治そのものだ。あったかどうかわからないものを「忖度」し、大騒ぎする。何年かかっても「悪魔の証明」はできない。財務官僚による女性記者へのセクハラ事件も、真実は闇の中だ。セクハラである可能性と同じくらいハニートラップの可能性もある。女性記者が官僚に近づいていったプロセスまで調べないと、真実はわからないだろう。もちろん、問題をそのままにした方がいいと言っているのではない。問題を解明する委員会にまかせ、国民の代表が重要な法案を審議する場である国会で時間を使うべきではない、と言いたいのだ。

 そんなふうに思い、呆れ果てているところに、右上の意見広告を見た。

 櫻井よしこ氏が「国会よ、正気を取り戻せ」と言っている広告だ。本文を抜粋しよう。

 

「一体いつまで続けるつもりなのか。多くの野党、メディアはモリカケや自衛隊日報の「疑惑」追求に明け暮れ、事の軽重を完全に見失っている。

 憲法論議、北朝鮮問題、長期の戦略的思考を要する日中関係、経済摩擦も加わり複雑さを増す日米関係など国家的課題が置き去りにされている。(略)大統領制のアメリカでは、法案も予算も基本的に議員同士の論戦で帰趨が決まり、大統領に議会出席の義務はない。

 他方、議院内閣制の日本では、首相は国会質疑に拘束され、その分内外の重大事案に割く時間は削られる。(略)

 森友学園は、財務省の問題だ。

 加計学園は、岩盤規制打破の問題だ。

 自衛隊の日報は、公文書管理の問題だ。

 これらの問題を国会は連日、安倍晋三首相の介入疑惑、あるいは隠蔽工作疑惑に結びつけ、本質から外れた批判を繰り返す。その目的は、安倍首相の掲げる憲法改正阻止にあるのではないか。(略)」

 と続く。

 

 自分と価値観の異なる政治家や官僚にダメージを与えたい人は無数にいる。売れるネタを探しているメディアはたくさんある。だれかを貶めるためにリークしたい人は無数にいる。だから、現在取り沙汰されているような「クダラナイ」問題は、永遠になくならない。そういうものに対応する機関が国会であってはならない。

 良識ある国民よ、正気を取り戻せ。

 

※悩めるニンゲンたちに、名ネコ・うーにゃん先生が禅の手ほどきをする「うーにゃん先生流マインドフルネス」、連載中。今回は「成果があったときの落とし穴」。

https://qiwacocoro.xsrv.jp/archives/category/%E9%80%A3%E8%BC%89/zengo

(180509 第810回)

 

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