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自分が好きなことを見つけて無我夢中で取り組み、ひとつずつ目標をクリアする。そうやって愉しみながら、自分という人間をぶ厚くしていく……。今がベストで、未来には未知の楽しみがある。これが、多樂の本質である、と『多樂スパイラル』のまえがきで書いたが、その原理原則は今も変わっていない。

日々の生活のなかで、森羅万象に潜む多樂をいかに味わうか。心に映りゆくよしなごとを書き留めておこう。それが読者の方々にとって、なんらかのスパイスになればとの願いもこめて…。

 

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日本人には塩が足りない

2017.10.19

 もともとアマノジャクで、世の中で〝常識〟とされていることは、まずは疑ってかかるべきと思い始めてからずいぶん経つ。道理と常識はちがう、と。

 道理はずっと昔から「これが真実」と多くの人に共有されてきた価値観で、これを疑う必要はないと思っているが、常識の方はかなりアヤシイ。だれかが恣意的に作っているものが多いし、間違った判断が流布されているというケースも多い。

 例えば、「早期発見・早期治療のために定期検診を受ける」「一日3食が体にいい」「ごはんは太る」「日本酒を飲むと糖尿病になる」「糖質摂取を減らす」「花粉症になったら、薬を飲んでマスクをする」「老眼になりかけたら老眼鏡をかける」「足りない栄養素はサプリメントで補う」「水をたくさん飲むと血液がサラサラになる」はたまた「ビッグデータに基づいた教育は有効」「学歴エリートは優秀な人物」「国連は正しいことをする」……。いちいち挙げたらキリがないほど、世の中には多くの〝つくられた〟常識がある。

 なかでも私が疑っていたのは、「塩は体に悪いから摂取量を控える」だ。科学的な根拠はないが、命の源である塩が悪いはずがない。武田信玄だって〝塩絶ち〟をされて窮地に陥った。塩は悪者どころか、近年増え続けている病気のほとんどは塩不足によるものではないかと思っていた。

 そんな折、『日本人には塩が足りない』(村上謙顕 東洋経済新報社)という本に出会った。それを読んで、やっぱりそうだったんだ!と合点した。

 ここでは、本書の要点をまとめてみたい。

 まず、塩は体をコントロールする大事なミネラルの集合体であるということ。フランスの生理学者ルネ・カントンは、「すべての病気は体内環境のミネラルバランスの乱れから起こる」と考えた。そして、正しいミネラルバランスを生命が誕生した頃の古代海水に求めた。

 地球が誕生した頃の原始海洋には、非常に強い酸が含まれていた。この酸が岩を溶かし、そのミネラルが酸を中和して古代の海の成分になった。古代海水のなかで、今の私たちにつながる細胞が生まれた。その証拠に、私たちの体内環境は、濃度も成分も古代海水とほぼ同じ。羊水のミネラルバランスも海水と似ている。

 体内環境とは、血液、リンパ液、細胞間液といった体液などでつくられる。生き物には体内環境を成城に保つ動きがあり、それをホメオスタシスという。

 体内環境を整えるには、古代海水のミネラルバランスを取り入れるのが最適だ。いい塩を日々の食事に使えば、「腸管を通して古代海水を点滴している」のと同じである。反対に塩が不足することによって、体のミネラルバランスが乱れる。間違った食事、食品添加物や農薬などの化学物質、病原性のウイルス、ストレスなども体内環境を乱す要因となる。塩を消費する食べ物の最たるものが、果物と甘いもの。果物はカリウムが多いので、食べ過ぎるとナトリウムが相対的に不足する。

 

 海のミネラルの集合体が本来の塩だったが、いつしか「塩化ナトリウム」の総称になってしまった。

 発端となったのが、明治時代、塩の専売制度を始めたときに、塩=塩化ナトリウムと考えたこと。その結果、「塩化ナトリウムの純度が高いほど高品質な塩である」という迷信を作りだしてしまった。さらに、塩化ナトリウム以外のミネラルは不純物であると誤った認識が広まってしまった。

 昭和46年、伝統的な塩田が廃止され、イオン交換膜透析法という化学工業的な方法で作られるようになった。効率よく大量の塩を安価で製造するためと、環境汚染がその理由とされている。

 本来、日本において塩は海水をまるごと凝縮して作るものだった。そうやってできた塩には主成分である塩化ナトリウムの他に、「にがり」の成分である塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カリウムや硫酸カルシウムなどの少量成分が含まれていた。

 日本人の病気が急増したのは、自然の塩を摂取しなくなった頃と符合する。体力や気力の減退、冷え性、便秘、熱中症、うつ症、キレる、骨が脆くなるなど、現代人に見られる症状は、塩分不足によってミネラルバランスが乱れることによって起こっていると考えられる。

 

 欧米人は寒く乾燥した気候に適応するため、あまり汗をかかない。動物性の食材は植物性に比べて圧倒的にナトリウムが含まれているから、あえて多くの塩を摂る必要はないが、高温多湿の日本で塩を摂らないのは致命的だ。もともと植物食が主体の日本人は、塩抜きでは元気が出ない。余分な塩は体内にとどまることなく、汗や尿になって水とともに体外に排出されるのだから、少々の摂りすぎは問題ないとされる。

 塩によって血圧が上昇する人と変化しない人がいる。上がる人の割合は、100人のうち、せいぜい2,3人。東北地方には高血圧の人が多いが、それには理由がある。人間は寒い環境に置かれると、血圧を上げて血液循環をよくすることによって寒さに打ち勝とうとする。老化によって血管の壁が固くなっている場合も、おのずと血圧は上がる。脳梗塞などの原因は、塩分摂取量ではなく、血液の質にある。

 1998年、イギリスの医学誌「ランセット」に「食塩の摂取量と死亡率の関係」についての論文が発表された。なんと食塩摂取量の最も多いグループの死亡率が最も低く、食塩摂取量の最も少ないグループの死亡率が最も高かったという。

 日本人の悪いクセで、一度〝常識〟ができてしまうと、それを疑おうとしない。

 効率一辺倒も悪い。精製塩、白砂糖、化学調味料など純度の高い、不自然なものに対して、舌のセンサーがよく働かず、食べ過ぎてもわからないという。

 その他にもいろいろ書きたいことがあるが、今日はここまで。

 では、どういう塩を買えばいいの? と思う人もいるだろう。

 『日本人には塩が足りない』の著者が関わっている会社が信用できると思う。ネットで購入できるから、まずは下記を見てほしい。

 海の精株式会社 http://shop.uminosei.com/

 ちなみに、この会社の製造現場では40人くらい働いていて、皆相当の塩分を摂取しているらしいが、高血圧の人は一人としていないという。

 

 さあ、皆さん。世の常識を信じるか、なにが真実なのか、もう一度じっくり考えてみるか。

 私は外出時も〝マイ藻塩〟を持参し、目下、適量を模索しているところである。

(171019 第760回 写真上は自然塩の数々。下はたまたま知多半島で見かけた流下式枝条架塩田)

 

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