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紺碧の将

あの時、死んでいたかも

2017.10.15

 やっぱり起きたか……。

 東名高速道路で走行妨害され、後ろから来た車に追突され、夫婦が死亡した事件を伝える新聞記事を読み、そう思った。

 記事によれば、亡くなった夫婦は、東名高速道路下り線の追い越し車線を走行中、25歳の建設作業員が運転する乗用車が目の前で停止したことで進路をふさがれて停止し、後ろから来た大型トラックに追突されたとのこと。高校1年生と小学6年生の娘が同乗していたが、二人は軽いケガで済んだ。

 25歳の男は悪質な運転を繰り返していたという。速度を10キロほどに落とし、追い越した車を追いかけて進路をふさいで停車させ、窓を叩く。翌日にも同じような行為の後、運転席のドアを蹴って壊す。その日の朝は青信号に変わったにもかかわらず10秒ほど発車せず、追い越そうとした車に車を寄せてぶつけたという。

 調べに対し、25歳の男は、「キレて追いかけた」と言っているという。

 

 実は私も同じような事態に遭遇している。9月はじめのことだ。

 宇都宮での所用を終え、北関東道に入った直後、追い越し車線を走っていて、ふとバックミラーを見ると、青いポルシェがすぐ後ろについている。間隔は数十センチという異常接近だ。

 すぐによけなかったのがいけなかったのだろう。ヤツは私の車を追い越した後、すぐ前に割り込んで来て、いきなり急ブレーキを踏んだ。私も急ブレーキを踏んで、危うくぶつからずに済んだが、少し判断が遅れれば追突するところだった。

 危ないぞと注意をする意味でパッシングしたのがいけなかったのだろう。そのポルシェは猛スピードで遠ざかった。やれやれと思っていると、なんと追い越し車線で停止しているではないか。気がついて急ブレーキを踏み、ギリギリ1メートルくらいのところで止まった。後ろから車が来ていなかったから助かったものの、もし来ていたら、私はサンドイッチにされて死んでいただろう。

 あの時の恐怖は忘れられない。心臓が狂ったようにバクバクし、頭がどうにかなってしまうと思った。

 次のサービスエリアで110番に通報した。状況を詳しく説明し、青いポルシェのナンバーは「とちぎ ・119」だと伝えた。覚えやすいナンバーだ。

 電話に出た警察官は、すぐ高速隊に連絡して、周囲を調査すると答えた。私は、その結果を連絡してほしいと伝えた。

 帰宅してから、連絡があった。

「あの後、周囲を調べましたが、青いポルシェはいませんでした」

(そりゃ、そうだろう。高速で走っているのだから)

「仮に見つけても、現行犯以外では逮捕できないんですよね」

(ということは、偶然パトカーが近くにいなければ逮捕できないということ?)

「最近、そういうケースがよくあるんですよ。とにかく、変な人には近づかないようにするしかないんですよね」

 そう諭されて、電話は終わった。

 その後での新聞記事だったから、「やっぱり起きたかぁ」と思ったのだった。

 

 こういう悪質な運転で憂さを晴らしているヤツらをどうすればいいのだろう。第二、第三の事故が起こる可能性は大だ。

 なぜ、こういう人間が増えてしまったのか。その遠因は何なのか。教育なのか、その他の社会制度なのか。

 そういうことを論じると、「教育において人の心に立ち入ることは許されない」と言う人がいるが(特に左翼系の知識人)、人の心に立ち入らなければ、教育などできるはずがない。

 こういう世の中にしてしまった本質的な原因を究明すべきではないか。

(171015 第759回)

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