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紺碧の将

超高感度空間「GINZA SIX」

2017.05.30

 銀座松坂屋の跡地にGINZA SIXができた。6丁目だからSIX。

 銀座は、ハイセンスな大規模商業施設の開業ラッシュが続いている。昨年あたりまで横行していた「爆買い」風景がようやく影を潜め、少しずつ正常な状態に戻りつつある。ちなみに、私は「爆買い」に依存していく人たちを見て、「商品といっしょに魂まで売ってしまったのか」と嘆いていた。
 大規模商業施設とはいうものの、平たくいえば、女性向けのファッションテナントビルである。多くの店舗は、男である私には縁がない。しかし、見るべきものはたくさんある。蔦屋書店とレストラン、そしてパブリックスペースの作り方、インテリアデザイン、及び人の導線などである。
 蔦屋書店は、代官山で書店のあり方に大きな一石を投じた後、各地に同じコンセプトの店を出している。
 GINZA SIX内の店舗はさらに洗練度が増した。なにしろ、本が主役なのである。本屋なんだから当たり前なんじゃない? と言う人もいるだろうが、通常の書店は本を「商品」として扱っている。もちろん、この蔦屋書店でも商品であることに変わりはないが、ディスプレイの仕方や分類法を見れば、「本」と「商品」の区別がわかると思う。美しいカバーの本を美しく並べ、しかも、全体の調和が保たれている。さらに刀剣や春画などを組み合わせ、大きな盆栽のあるカフェで寛ぎながら本を読むことができる。一日いても飽きないだろう。
 あまりに洗練されていて気軽に楽しめないと言う人もいるにちがいない。しかし、こういう世界があるということを知っておくのも大切なのだ。
 文章にも同様のことがある。それを知っているからといって、それを書く必要はない。知っているかどうかで、文章の質が変わってくる、と。
(170530 第725回 写真上は「GINZA SIX」の蔦屋書店。下は同吹き抜けの草間彌生作品)

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