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紺碧の将

時代が人物を要請する

2016.07.07

山田宏 山田宏氏との交誼は、『Japanist』の創刊号で取材して以来だから、かれこれ8年近くになる。山田氏が提唱している「日本よい国構想」を書籍にまとめる際に少しお手伝いをしたことがあり、現在も『Japanist』で「私が目指す、日本の姿」というインタビューの連載記事を掲載している。その間、何度も取材をさせていただいた。

 山田宏は一貫してブレがない。紆余曲折あり、このたびは自民党から出馬しているが、それも親交の深い安倍総理からのたっての要望があったからだ。もちろん、杉並区改革や衆議院議員として彼のこれまでの政治活動が評価されてのことだ。
 私は思う。政治家はビジョンとリアリズムのバランスだ、と。両者のバランスがうまくとれない政治家は大事をなすことはできない。
「この国(あるいは地方自治体)を、こうしたい」というビジョンがなかったら、次の行動にはつながらない。しかし、一方で「政治家は理念から腐る」という言葉に象徴されるように、理念が勝ちすぎた政治家は道を誤る。宗教でもそうだろう。原理主義者ほどたちの悪いものはない。共産主義者は「理念から腐る」典型的な例といっていい。
 参院選の審判が下されるまで、あと数日。ぜひ、山田宏に活躍の場を、と願わないではいられない。彼ほどの人物を野におくのは、国家的損失だ。

 

 ところで、今回の選挙は「自民党追認選挙」という色合いが濃い。民進党が政権担当のできる責任政党を目指すことを放棄したからだ。選択肢がなくなったということは国民にとって、大きな損失だ。
 私は安倍総理は80%くらい支持している。特に外交・安全保障政策は戦後の歴代総理の中でも一頭抜きんでている。アベノミクスに対しては半信半疑だが、かといって、それに替わる政策が思いつかない。総じて言えば、安倍総理は大奮闘しているといっていい。
 しかし、だからといって自民党がいいとも思っていない。比べることのできる他の党がないのだから、評価のしようがない。

 野党第一党の民進党は、あろうことか「赤い悪魔」と手を結んだのだから開いた口がふさがらない。共産党はブレない、と評価する人もいるが、まったく実態がわかっていない。
 日本共産党は今も共産主義革命を標榜している。これまでも武力闘争を含め、国体の転覆を謀ってきた歴史がある。共産党幹部は、武力闘争は一部の分派がやったことだからわれわれとは関係ないと主張するが、まったく無責任な言い逃れだ。自分たちの間違いを絶対に認めない姿勢は、原理主義者そのものといっていい。
 野党共闘にあたっては「当面、民主主義と天皇制を維持する」と明言したが、「当面」という字句に着目しなければいけない。「当面維持する」ということは、近い将来、民主主義も天皇制も打破したいという意図が見え隠れする。
 前政策委員長の藤野保史が「防衛予算は人を殺すための予算」と言って辞任に追い込まれたが、これが共産党の本音だろう。自衛隊は発足以来、一人も殺してはいないし、殺されてもいない。戦争を防止することを目的に制定した法律を「戦争法」とレッテル貼りし、国民をかどわかすのもきわめて卑劣な手段だ。それに騙される愚かな国民はほんの一握りしかいないとは思うが。
 共産党は自衛隊を違憲と決めつけているが、「すぐには解散できないから、急迫不正の主権侵害、大規模災害などには活用する」と詭弁を弄している。自衛隊員を愚弄するにもほどがあろう。とても同じ人間の感覚とは思えない。
 自衛隊を解散し、日米同盟を破棄するというが、いったいどうやって国を守るのか。まさか本気で「平和を愛する諸国民の信義と公正に信頼して」守れるとは思っていないだろう。
 彼らは「弱い者の味方」を装っているが、これまでの共産主義体制が弱者をどう扱ってきたかを見れば、それが欺瞞だということがわかる。共産党独裁下の国民など、ただの「道具」に過ぎない。人権も自由も文化的な生活も根こそぎ奪われるのは火を見るより明らかだ。私は以上のような諸々の理由から、共産党は反社会勢力だと思っている。
 救いは、若い年代ほど共産党支持者が少ないことだ。少しずつ世代交代が進めば共産党支持者も減ると見ているが、そうなる前に勢力を拡大されては大ごとだ。
 読者の皆さん、くれぐれも共産党には票を投じないでください。
(160707 第648回 写真上は山田宏氏)

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