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紺碧の将

ニッポンに赤はよく似合う

2008.06.14

 ついに船村徹氏の本ができた。すでに予告していた通り、タイトルは『ニッポンよ、ニッポン人よ』。

 それからもわかるように、日本人への熱いメッセージをまとめた本である。

 サイズは205×205mmの正方形。光沢のある赤を背景に日の丸がはためいている。カバーをはずすと、インナーカバーは畳の写真。思いっきり和風だ。

 見返しをくると、封筒が現れ、船村徹氏が畏友・故高野公男に書いた直筆の詩が入っている(もちろん、印刷だが)。これで税込み2,100円。高いか安いかは人それぞれだろう。少なくとも、聞き書きをした当人としては、安い買い物だと思う。

 世界史を見渡せば、繁栄を究めた国は、必ず衰退への道を歩んでいる。前回の小欄でも書いた小川三夫氏は新著『棟梁 小川三夫』の中でこう言い切っている。

──組織は一度は栄える。しかし必ず腐り始める。いつまでも俺が棟梁ではあかん。一番腐るのは上に乗ってるリーダーからや。今度は俺が席を譲る番や。

 なるほどそうだと思う。今の自民党を見るがいい。久間みたいな利権を絵に描いたような政治家がわんさといる。あれでは、なんにも変わらない。何十年も既得権益にしがみついていた人たちが、自ら改革などできるはずがない。少しは小川さんを見習え! と一喝したいが、彼らにそういう声は届かないだろう。なにしろ、聞く耳というものがからっきしないし、欲の皮が象皮のように分厚くなっているのだから。

 おっと、話がそれてしまった。本の話であった。

 船村先生への取材中、何度も顔をしかめられたのが印象的だった。戦後の焼け野原を親友と歩きながら夢を抱き続け、やがて夢を成就させた方から見る現代のニッポン人は、かなり異様な姿なのだろう。自分が好きな国がこういう姿になるのを見なきゃならないというのはつらいもんだよ高久さん、とおっしゃっていた。

 だからこそ、こういう本が仕上がった。

 聞き書きという大役を与えられたことに、深く感謝いたします。

 さて、読者の皆さん、右の私のプロフィール欄をご覧ください。これみよがしに赤い表紙が配置されていますね。その表紙をちょこんとクリックしていただければ、簡単にこの本を入手することができます。ぜひ、ためしてください。

(080614 第53回)

 

 

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