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紺碧の将

どんなモノにも売り方がある

2015.08.13

マムート 今回の奥穂高岳登山がうまくいった大きな理由として、前回、練習について書いた。もうひとつの大きな要因が靴を替えたことだ。 これまでの登山では、毎回足(特に右足)が痛くなった。後半は激しく痛んだ。ずっとやむをえないことだと思っていた。それをそのまま放置したのは、明らかに私自身の怠慢だ。
 靴に詳しい友人に連れられ、あるスポーツ用品店へ行った。売り場の人(40代女性?)の話を聞くうち、「もっと早く買い替えれば良かった」と思った。
 私の体型を一見するなり、その人は私の足の形を推定した。首が細い人は腰も足も細いという。そういえば、私の足の形が一般的な日本人のそれと異なるということは、その友人からも指摘されたことがある。
「高久さんの足に合う靴はイタリアの靴だけですよ」
 つまり、細長く、親指と小指の先端の斜度が強い。高い買い物をするようにできているのか。
 一般的な日本人は、極端に言えば、足の幅が広く、先端がほぼ同じ長さで揃っているというのだが、私はほぼ正反対である。たしかに、同行するカズオ氏の足はまさしくその形で、いわゆる「サリーちゃんの足」である。
「マムートが合うと思います」
 くだんの担当員はそう言った。スイスのメーカーだ。
 さっそく履いて試し歩き。山を模した傾斜のきつい「板の山」を昇り降りし、グリップなどをたしかめる。
 それまで履いていた靴を持っていたので、それに履き替えて違いをたしかめる。
 全然違っていた。そう言っていいくらい、感触が違っていたのだ。
 ──これならいける!
 強い確信とともに購入した。
 それが右上の靴である。
 オレンジが映える。思えば私は以前からオレンジが好きだった。
 最近はほとんど無彩色かせいぜいブルー系を選ぶが、久しぶりに暖色を選び、心が高揚した。色は大事な要素だ。
 どんなモノにも売り方がある。
 ちなみに、ゼビオスポーツは各ジャンルの売り場にそれぞれ詳しい人を配置している。専門性の高い商品は、いかに販売員がそれに精通しているかが問われる。もちろん、自身もそれをたしなんでいる必要性があるのは言うまでもない。
 当たり前だが、買い物によって重要なことを再認識した。
(150813 第571回 写真は購入した登山靴)

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