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紺碧の将

歳を重ねても成長できる

2015.01.25

スタート前 と、のっけからつまらない冗談で始まったのにはワケがある。

 約13年ぶりに10キロを走り、目標を上回る結果を出せたからだ。
 48分12秒。
 30代の中頃から10キロ走に参加するようになり、40分10秒くらいで走っていた。39分代を目標にしていたがついに叶わず、むしろ年ごとにタイムは後退し、42歳の頃、ついに53分くらいまで落ちて、「これが歳をとるということか」とあきらめ、その後はもっぱらウォーキングに重点を置くようになった。
 しかし、ウォーキングはしょせんウォーキングで、どうにも達成感がなくて、物足りない。
 そこで昨年はじめ頃からランニングに切り替えたのだが、これがドンピシャだった。新宿御苑の門と住まいの玄関が向かい合っているという条件にも恵まれた。
 朝は開門と同時に苑内を走る。御苑が閉まっている日は、外苑や赤坂迎賓館の方まで足を伸ばす。そんなことを続けているうちに楽に走れるようになり、知人の誘いもあって新宿シティマラソン10キロの部に参加したわけだ。
 コースがいい。神宮球場と日本青年館の間をスタートし、球場の外周を回って青山のイチョウ並木へ。途中で折り返すと、目の前には聖徳記念絵画館が現れる。
 絵画館の前に設けられた給水ポイントを抜け、JR信濃町駅前へ。慶應大学病院に沿った細い道を下り、外苑西通りへ。そこは以前住んでいたところで、ケヤキ族の左馬之助や凜子がいる。心の中で挨拶をし、気分を新たに青山方面へ。途中で左に折れてスタート地点に戻るというコースを3周し、最後は神宮球場の中のフィニッシュ地点へ向かう。
 角度を変えるたびに風景が変わり、目を楽しませてくれるコースなのだ。
走る高久 昨年から禅に取り組んでいるが、それも功を奏したようだ。なんとなく、無心というか、周囲の自然と一体になれたというか、リラックスして走れたのだ。時間も気にならず、腕時計を見たのはゴール前だけだった。
 自分なりに、無心になれる秘訣がある。青空を見たり、木々の枝や葉っぱを見たり、雲の流れる様子を見ること。自分がそのなかの一部になったように感じられる。
 もうひとつの方法は、何人抜いたかを数えること。今回は参加者が多く、1周目は周りのペースに合わせるしかなかったが、2周目からシフトチェンジし、どんどん抜いていった。結局、166人を抜いてゴールした。
 13年ぶりだったにもかかわらず、タイムを縮めることができたのは大きな喜びだ。もっと練習すれば、30代の頃に叶わなかった39分代も夢ではないかもしれないと思い始めている。できるかどうかわからないが、可能性を信じることができるというのは幸せなことだ。
 最近、記憶力も大幅に伸びていると感じられるし、原稿を書くスピードも質も上がってきた。
 人間は歳とともに成長できるのだ。それがわかって、嬉しくてしかたがない。
(150125 第541回 写真上はスタート地点の高久。下は走る高久)

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