多樂スパイス

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紺碧の将

高性能の目

2014.03.28

ルーペでアップ かなり高性能の目といっていいだろう。

 私の目である。

 とにかく、物心ついてから今まで、視界がぼやけているということがない。遠くも近くもクッキリスッキリなのだ。「女性の敵」「医者に診てもらった方がいい」など、さんざんな言われようだが、たしかに目の前の女の人はいやだろうなと思う。なぜなら、「いいところはもちろん、悪いところもそれなりに」見えるから。

 若い頃から視力が良く、検査をすればいつも1.5か2.0だった。周りから「視力がいい人は早く老眼になるよ」と脅されていたが、55歳を間近にしてもほとんど衰える気配がない。一時、「少し老眼がきたかな」と思ったこともあったが、それ以降、なんとなく回復したようで、今でも文庫本の奥付のいちばん小さい字も明瞭に読める。上のように、ルーペを使う必要はない。

 どうしてこんなに高性能の目を授かったのだろうと思う。実際に見えれば見えるほど、心の目は曇らないのだろうか。あるいは、常日頃言っている、「見えないところを見る」ということについてはどうなんだろう。

 私はどちらかといえば、目を酷使していると思う。仕事にパソコンは欠かせないし、特にデザイン業務をするときは、ディスプレーの一部をじぃーっと見て、ポチンとクリックすることが多い。細部の調整をするからだ。本もかなり読む。とにかく、身の回りに文字があると読まずにはいられない。

 と、ここで推論である。

 目の衰えは、目そのものの衰えにもよるのだろうが、大半は体全体の機能低下によるものではないか。血行が悪くなったり、内臓の働きが悪くなったり……。その結果の一部が目の衰えに現れるのではないかと。

 そうなることを未然に防ぐには、食事や適度な運動や睡眠など、あらゆる健康法にあてはまる、基本的な生活習慣がきわめて大切なのではないかと思う。

 「現象(視力が悪くなったなど)を見ず、根っこ(原因)を見よ」

夕映えの新しい葉 それから、植物の状態を子細に見る習慣があることも理由のひとつかもしれない。先日も、ケヤキの盆栽に新しい葉っぱが出てきたのをいち早く見つけたのは私。いっしょに生活していても、家族は気がつかない。とにかく、細かいところを丹念に見ようと思っているのだ。

 「だから女性の敵だって言っているんですよ(プンプン)」とお怒りの声がきそうである。

(140328 第496回)

 

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