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紺碧の将

船村徹の本、始動す

2008.02.11

 いよいよ船村徹氏の本を作ることになった。

 題して『ニッポンよ、ニッポン人よ』(仮題)。

 タイトルから想像できるように、船村徹による日本、及び日本人への熱きメッセージである。

 

 船村先生が今までに残してきた功績を否定する人はいないだろう。しかし、氏の功績が作曲以外の多岐にわたっていることを知っている人は少ないかもしれない。だからこそ、船村氏の今までの来し方を総括しながら、それらをあますところなくまとめようと思っている。

 船村徹の功績と言えば、今までに作曲した6000曲以上に及ぶ「船村メロディー」がまず先頭にあげられるだろう。とりわけ、美空ひばりに提供した100近い曲は、戦後歌謡史に残る金字塔と言っていい。それらがどれほど凄まじい努力の賜か、『fooga』の特集でご紹介したことのある私はある程度知っているつもりである。

 さらに、作曲以外に特筆すべきことは、数十年もの間、内弟子を受け入れ、後進の指導にあたっていることだ。いや、後進の指導などという甘っちょろい表現は適切ではないかもしれない。四六時中生活をともにし、人間教育を施しているのだから。

 それはまさに「施し」という言葉がぴったりだと思う。なぜなら、そんな煩わしいことをあえてする必要など、船村先生には毛頭ないからだ。それでも、見込みのある若者を発掘し、ずっと内弟子として受け入れている。今までに数百人は下らないはずだ。たぶん、日本の教育に対するアンチテーゼも多く含まれていることと思う。今の教育の現場に任せていたら、とんでもないことになってしまう、と。

 今も3人の若者が、船村先生に師事している。彼らは料理をはじめ、身の回りの世話をなんでもする。自由時間はほとんどない。個室もないからプライバシーもない。寝る時は、3人で川の字になって寝る。

「ガールフレンドも作れなくて不自由を感じたことはないですか?」という下世話な質問にも、笑顔で「ないですね」と答える。目標があるから、不自由だと感じたことはないと言う。

 情けないほどの体たらくを晒している日本人が多いなか、これほど礼儀正しく、気配りが研ぎ澄まされている若者を見ることはなかなかできやしない。

 嬉しいことに、3人の内弟子のうち、一人が今秋デビューすることになった。内弟子となって9年目だ。よくぞ頑張った、と思う。彼の名は、走裕介。網走出身だから「走」。いいなあ、この安直さ。

 ところで、本の完成は、今年の6月12日の前を目指している。出版禁止用語がいくつも出るかもしれない。とんでもないエピソードが明かされるかもしれない。入魂の一冊を作るぞ! と気合い十分の高久である。

(080211 第34回  写真は、本の創作開始を機にゴング代わりに乾杯をする船村徹氏と筆者)

 

 

 

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