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自分が好きなことを見つけて無我夢中で取り組み、ひとつずつ目標をクリアする。そうやって愉しみながら、自分という人間をぶ厚くしていく……。今がベストで、未来には未知の楽しみがある。これが、多樂の本質である、と『多樂スパイラル』のまえがきで書いたが、その原理原則は今も変わっていない。

日々の生活のなかで、森羅万象に潜む多樂をいかに味わうか。心に映りゆくよしなごとを書き留めておこう。それが読者の方々にとって、なんらかのスパイスになればとの願いもこめて…。

 

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偉人はなぜ一ヶ所に集中するのか

2013.03.30

高知城 取材のついでに高知城に寄った。江戸時代初期に、土佐藩の初代藩主・山内一豊によって造られた城で、本丸の建物が完全に残る唯一の城として知られている。

 小雨が降るなか、歩きながら考えた。なぜ、高知には偉人が多いのだろう。

 坂本龍馬、板垣退助、岩崎弥太郎、武市半平太、後藤象二郎、浜口雄幸、幸徳秋水、谷干城、中江兆民、牧野富太郎などの名前がスラスラと出てくる。吉田茂の親も高知出身だ(これはちょっと無理があるかな)。高知市内を歩くと、あちこちに郷土の偉人を顕彰する碑や標札がある。これだけ偉人を輩出していれば無理もないな、と少し羨ましくなる。

 そういえば、鹿児島も山口も偉人の宝庫だとあらためて思った。鹿児島は大久保利通、西郷隆盛、小松帯刀、川路利良、黒田清隆、松方正義、東郷平八郎、山本権兵衛、黒田清輝など、山口は吉田松陰、伊藤博文、山縣有朋、桂太郎、寺内正毅、高杉晋作、久坂玄瑞、田中義一、井上馨、岸信介、佐藤栄作など、枚挙にいとまがない。雲霞のごとくいる。安倍総理も出生地こそ東京だが、長州閥であることにかわりはない。菅直人も長州閥だが、この人は除外した方がいいだろう。

 なぜ、偉大な人物がある特定の場所で、ある特定の時代に現れるのだろうか?

 以前、私の知人のインド人が、勝手に私の情報をインドへ送り、数ヶ月後に私の人生の「過去・現在・未来」がびっしり書かれた紙が届いた。いつ、どこで生まれたかによって、その人の人生が「ほぼ」わかってしまうらしいが、それを読んで驚いた。「ほぼ」どころか、「完璧に」わかってるんじゃないのと思えるくらい精度が高いのだ。それには私が死ぬ年齢も書かれていたが、そうは問屋が卸さないと、「100歳まで現役」と広言している。

 いつ、どこで生まれたかが重要なのであれば、高知、鹿児島、山口に偉人が多いことも納得できる。そういえば、ジョン・レノンとポール・マッカートニーが同じ時代にリバプールで生まれたというのも奇跡に近いと思っていたが、案外、理に適っているのかも。

 ただ、もうひとつ、それとは別の理由があるような気がする。つまり、あまり豊かではないところに偉人が出てくるということだ。こう書いては失礼だが、高知も鹿児島も山口も経済的には不遇をかこっている。都道府県別の貿易収支(都道府県を国とみたてて収支を計算したデータ)で高知県は最下位である。県庁所在地で最も人口の少ない市は山口市である。

 橋本龍馬こと橋本邦健氏に取材した際、「高知の主な産業は何ですか?」と訊いたのだが、橋本氏は、「な〜んもないじゃきに」と即答した。「なにかあるでしょう?」と言うと、「な〜んもないじゃき!」と語調を強めた。だからこそ、立身出世を目指す人物が多かったのだろうか。

 一方、豊かな地域や天災が少ない地域が、あまり偉人を輩出していないことも事実である。

 そう考えると、豊かさって何なんだろうと思わざるを得ないのである。

(130330 第412回 写真は、高知城)

 

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