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紺碧の将

「食べない健康法」で快適に

2012.06.16

 シャバに帰ってきた。

 予定通り、伊豆のヒポクラティックサナトリウムで5泊6日の断食療養をしてきた。

 結果から先に書けば、あれほど頑迷固陋に居座っていた「肩凝りさん」にあっさりとお引き取り願うことができたのである。

 うすうす気づいていた。対症療法では治らないだろうと。おそらく内臓や血行の問題だろうと。

 しかし、食事を断つだけでこんなにも早く結果が現れようとは……。伊豆に行く前を「どんより曇った空」と喩えれば、帰って来るときは「雲一つない快晴」のようなもの。いったい、あの苦しみはなんだったのか?

 それにしても、私は同世代の男性の水準と比較すれば、小食の方だと思う。もともと大食漢はバカだと思っているし、食べ物にしか興味がない人は人間の皮をかぶった動物だと思っている(あ、動物に失礼か)。それでも、私は食べ過ぎていたのだ。

 それから、今回あらためて痛感したことは、東洋人の本質を見る能力の素晴らしさと、西洋人の限界だ。今、日本の医療費は約37兆円。この現実をどう解釈すればいいのだろう。要するに、西洋医学偏重の結果なのだ。

 この35年間で医師の数は3倍に増え、医療技術は数段に進歩した。しかし、それを上回るほど病人が増えている。簡単にいえば、病人が増える仕組みのなかで多くの医師や製薬会社が成り立っている。その背景にあるのは、「これが健康にいいですよ」という常識が、西洋医学を基準として定まったということ。今、アメリカでさえ、医療の半分は東洋医学を用いているという。ところが、ホームであるはずの日本では東洋医療はほとんど保険がきかない。ほんとうに、愚かなことをやっている。

 では、こういう仕組みを変えることはできるのか? 根本的に解決することは無理だと思う。それほど、われわれは洗脳されているし、利権の構図が堅牢になっている。

 しかし、もはや「意識の高い人が、それぞれに自分に合っ治療の仕方をすればいいんじゃない?」というのも、通用しなくなるだろう。なぜなら、前述のように、医療費が増えすぎて、財政的にもたないからだ。

 

 それにしても、私もうかつだった。「食事は毎日きっちり3度摂ること」が健康にいいと信じて疑わなかった。だから、時間になると食事を摂っていた。水もこまめに補給しなければいけないと思っていて、机の上にペットボトルを置いていた。

 そんなおバカな私であるが、ヒポクラティックサナトリウムの主宰者・石原結實氏の講演を聴き、いろいろなことがわかった。まさに「腑に落ちた」という表現通り、お腹のなかに正解が落ちた感じがした(※毎週日曜日の午前、石原氏の2時間半の講演がヒポクラティックサナトリウムで行われる)。

 では、どんなことがわかったのか、思うままに列記しよう。

●一日3食は明らかに食べすぎで、内臓が休みなく働かされているようなもの。ガンをはじめ、ほとんどの病気は、食べ過ぎが原因となっている。

●病気を防ぐ力が免疫力。食べ過ぎると血液中の白血球も満腹状態になり、外からばい菌が入ってきても仕事をしなくなる。つまり、免疫力が下がる。また、食べると体内の血液が消化器系や肝臓、腎臓に集まるため、他の部位の血流が少なくなる。よって、血行が悪くなり、体温も下がるという悪循環になる。

●病気をして食欲がなくなるのは、免疫力を高めるための自然の反応だが、西洋医学では「栄養をつけないとダメ!」という理屈により、無理矢理食事を摂らされる。

●体は、「出して、入れる」が原則。呼吸は「はいて、吸う」、「出入り」「出納」「Give and Take」といった言葉もそうだし、そもそも人間は「おぎゃー」と生まれて、最期に息を「引き取る」。

●人間を含め、動物の体は、吸収ばかりしていると排泄しなくなる。

●300万年という人類の歴史は飢餓との闘いの歴史で、栄養が満たされるようになったのはわずか数十年程度。人体は食べていない状況に対してはさまざまな対処法をもっているが、食べ過ぎに対してはインスリンの分泌程度しかない。

●発熱、食欲不振、下痢、嘔吐などは体の自然な防衛反応であり、それらを薬物によって強制的に抑えようとする西洋医学は、「治そうとする力」を封じ込めているようなもの。

●人間ドックの検査項目のなかに、東洋医学で最も重要視している「体温」が入っていないのは、明らかにおかしい。

●水分は生きていくために必要だが、今の日本人のほとんどは摂取過剰。過剰な水分は体を冷やすだけであり、血液をサラサラにするというのはウソ。

●同サナトリウムには末期ガンと断定され、余命いくばくもない人が来て、実際に断食療法だけでガンが消えてしまった例がいくつもある。

●ウツなど、精神的な病も食事を減らすことで改善することができる。

 等々、他にもいろいろあるのだが、きりがないのでこの辺でやめる。

 

 「そんなこと言うけど、好きなものを食べられないのはストレスじゃない?」という人もいるだろう。

 しかし、そんなことはない。食べる回数を減らせば、毎回の食事がとても美味しく感じられる。味覚も敏感になってくるのだ。併せて、生産者や食材への感謝の気持ちも大きくなる。

 それから、今回、石原氏に診断を受け、良かったことがあった。「γ-GTPが高いので、2日に1回酒を抜いています」と言ったら、即座に「それはやめた方がいいですよ。酒は適量なら毎晩飲んでも大丈夫です。γ-GTPが高いのは明らかに水の飲み過ぎです」と言われた。ということで、これからは毎晩酒を飲めるのである。

 もっと詳しく知りたい人は、石原結實著『食べない健康法』(PHP文庫)がオススメ。

(120616 第347回 サナトリウムでの基本食は、ニンジン&リンゴジュース3杯と梅干し。食事の合間に、黒砂糖入りのショウガ紅茶は何杯飲んでもいいことになっている。そうそう、石原式療法の胆は、体温を上げてくれるショウガである)

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