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紺碧の将

生成化育の季節

2012.04.29

 まさに生成化育の季節。地球はただの物体ではなく、ダイナミックに生命の火を灯し続けている惑星だということが実感できる季節になった。新緑が芽吹くこの季節は、私がもっとも好きな季節でもある。

 本来であれば、私がこの世に生まれた桜の季節こそ、もっとも好きな季節というべきだろう。ところが情けないことに、10年くらい前に花粉症を患ってしまった。そのため、春は日課としているウォーキングを極力減らし、外出する際はマスクを常用するハメになってしまった。ちなみに、銀行へ行く際は、マスクとサングラスを忘れない。みんなが注目してくれるからだ。

 新宿御苑の森を間近にする自称・多樂庵の窓に映る景色も右上のように新緑一面となった。朝起きてカーテンを開けると、若葉が眩しいくらいだ。一日のはじまりに、名状しがたい感動を与えてくれる。反射的に深呼吸し、屈伸運動などをしてしまう。

 “イケナイイケナイ、正しい50代ではなく、クセのある50代を目指しているのだから、もっと個性的な反射をしなければ” と自分を諫める。

 

 ところで、先日発行した『Japanist』第13号で紹介した現代手工業家・モリソン小林さんのブログが面白い。テーマ、文章、写真も素晴らしいが、なにより森羅万象を見つめる彼の目がいい。私が薦めるイチ押しのブログである。

 特に4月20日付の「ソフィーの世界」は面白かった。

http://www.specialsource.jp/

 黄金比について書いているのだが、植物の不思議についても言及している。彼は植物をモチーフとして作品を創り続けているので、その分野の造詣も深い。以下、一部を抜粋。

 

──花の花弁の数には、じつに奇妙なパターンが存在しているんです。ほぼすべての花について、花弁の数は3、5、8、13、21、34、55、89という奇妙な数列のいずれかの数の一つ、またはそれぞれの倍数が多いようです。たとえば、ユリの花弁は3枚か6枚、キンポウゲは5枚、多くのヒエンソウは8枚、
マリゴールドは13枚、アスターは21枚、ほとんどのデイジーは34枚か55枚、もしくは89枚です。これらの数字には明確なパターンが存在しています。
少し頭をひねらなければそのパターンはわからないのですが、いずれの数字も、その前の二つの数字を足したものになっています。

 これはフィボナッチ数列と呼ばれているもので、再帰的プログラミングの例題としてもよく使われています。
ですが、この数列は人が心の中で描いただけでなく、自然の中に存在しているものです。
もちろん「数」は人の発明ですが、この「数」で世界を覗くと世界の不思議な姿が見えてきます。

 

 ス、スバラシイ! いいなあ、モリソン。さすがにジム・モリソンの系譜を継ぐだけのことはある。それにしても、この法則を用い、植物を創造した「存在」はいったいどんな意図をもっていたのだろうか。ただのイタズラや遊びとは思えない。

 ところで、3月27日付の彼のブログでは『Japanist』について書いている。ぜひ、読んでください。

(120429 第336回 写真は多樂庵窓外の風景)

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