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紺碧の将

金属で表現された植物の命

2012.03.17

 先日、モリソン小林氏を取材した。

 モリソンとは、ジム・モリソンの「モリソン」である。ジム・モリソンの名を自分の名前に冠してしまう勇者はどんな面構えをしているのか、興味津々であった。

 さて、実際に会ってみると、意外な感じがした。一見、ごっつそうだけど、 ハートの塊のような男である。知的で礼儀正しく、感受性が豊かで多彩な表現力と技能をもっているマルチ人間でもある。

 就職の際、「ビートルズとストーンズ、どっちが好き?」と訊かれ、「僕はドアーズが好きです」と答えたという。

 これだけで、私なら「合格!」と言ってしまうだろう。もちろん、私はビートルズもローリング・ストーンズもドアーズも大好きだが、その答え方が気に入った。

 取材の後、すべてのLPを引っ張り出し、順番に聴いた。ちなみに、ドアーズで私が最も好きな作品は、『Riders on the storm』。雨と雷の音を背景に、ジム・モリソンが淡々と歌う、その曲は何度聞いてもゾクゾクする。鳥肌もんである。そういう音楽は、そうそうない。

 さて、モリソン小林さんの本業は、内装のデザイン・施工である。クライアントの要望に応じて、内装のアイデアを考案し、デザインし、設計図におとし、自分で製造もする。もちろん、現場監督もする。

 そういう仕事をこなしながら、仕事で得た技術を生かし、彫刻作品をつくっている。どういう彫刻かといえば、金属や流木、石塑粘土などを用いて植物や虫や人体を彫っているのである。特に、金属で作られた植物が素晴らしい。金属の錆をうまく生かしながら、命の輝きと、役目を終えた命の尊さを形に表している。数年前にどこかのギャラリーで見たことがあるが、一度見たら脳裏にこびりついて離れない。

 まずは、彼のホームページを。

http://www.specialsource.jp/

 さらに作品アーカイブ(Facebook)を。

http://www.facebook.com/pages/Special-source/166511550131007?sk=photos

 

 詳しくは次号の『Japanist』に譲るが、モリソン小林さんのコンセプトは、枯れゆくものへの哀惜と愛着。

 さて、彼の魅力をどう料理しようか。そういう取材対象と次々に会える私は、ほんとうに幸せ者である。

(120317 第326回 写真は、自作を愛でるモリソン小林)

 

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