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自分が好きなことを見つけて無我夢中で取り組み、ひとつずつ目標をクリアする。そうやって愉しみながら、自分という人間をぶ厚くしていく……。今がベストで、未来には未知の楽しみがある。これが、多樂の本質である、と『多樂スパイラル』のまえがきで書いたが、その原理原則は今も変わっていない。

日々の生活のなかで、森羅万象に潜む多樂をいかに味わうか。心に映りゆくよしなごとを書き留めておこう。それが読者の方々にとって、なんらかのスパイスになればとの願いもこめて…。

 

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やる気のある政治家を簡単に殺せる方法

2011.10.27

 中田宏氏の『政治家の殺し方』(幻冬舎)が出版された。このブログの読者の皆さんにはなにがなんでも読んでほしい。なるほど社会というものはこういう仕組みになっているのか! と目からウロコが音をたてて落ちるにちがいない。中田宏氏が『Japanist』のコーディネーターだから読んでほしいと書いているのではない。社会の裏がわからないまま情報操作をされていることは、結果的に反社会勢力の片棒を担いでいることになりますよ、と言いたいのだ。

 「Japanistは好きだけど、中田さんが大きく出ているので読みたくない。中田さんと関わるの、やめた方がいいよ」とアドバイス(?)してくれた人も何人かいたが、実際に中田氏に会って、あの性格が気にくわない、あの態度が気に入らないというのであれば、それはそれで仕方がないと思う。誰しも人の好き嫌いはあるし、中田氏はけっして愛想の良さを「売り」にしている人ではないからだ。

 しかし、講談社の『週刊現代』による7週連続の誹謗・中傷記事を鵜呑みにしてそのように思っているとしたら、反社会勢力の思うつぼだ。あるいは、横浜市長を任期満了まで約半年を残して辞任したことを、政敵の口車に乗せられて「投げ出しだ」と言うのも同様。せっかく得た市長職を自ら途中で辞めるには、どんな「意義」があるのだろうと考えるのがまっとうな大人だろう。なぜなら、途中で辞めたからといって、本人になんらメリットはない。その分の報酬もなくなるし、退職金だって減額されるし、批判も受ける。世の中にはなるべく居座れるだけ居座りたいという輩が多い中、どうして中田氏はあのタイミングで辞めたのだろうと忖度できない人は、はっきりいって思慮が浅い。

 

 上記の記事についてはすでに裁判で決着がついているが、結果を知っている人は少ないかもしれない。記事が掲載されてから数年たっているし、裁判の結果が大きく報道されるわけではないからだ。

 結果はもちろん、完全に中田氏の勝訴だった。私も一度、裁判を傍聴したが、ねつ造記事を仕込んだ側の証人がまったくしどろもどろで裁判にならなかったのを見て、「こんな茶番に税金が使われているのか」と憤慨した覚えがある。

 当時、私は主宰している『fooga』という雑誌で、ねつ造スキャンダルの構図を書いたことがある。すなわち、以下の3者の利益が合致していることが、この類の事件の根っこにある、と。

●反社会勢力/とにかく自分たちの既得権益はなにがなんでも守るという勢力。中田氏のさまざまな改革によってワリを食った人たちが巧妙にガセネタを仕掛けた。ワリを食った人たちといえば、建設業者であり、暴力団組織であり、横浜市職員らである。実際にガセネタを仕込んだのは横浜市議会議員たちであるが、その内実は本書に詳しく書いてある。

●フリーライター/原稿を出版社に買ってもらって生活をしている人。彼らは反社会勢力から「ごほうび」をもらい、刺激的な記事を書いて出版社に採用してもらえば、二重の収入が期待できる。文筆家としての矜恃など、生まれる前に捨てている人たちだ。

●出版社/出版社の経営を支えるドル箱といえば、週刊誌。下世話で興味本位で刺激が強いほど売れるから、そういう記事をたくさん掲載する。仮に名誉毀損で訴えられても結果が出るのは数年後であり、また賠償金もたかがしれているので、彼らにとっては痛くも痒くもない。裏付け取材など、ほとんどしないまま、どんどこ掲載する。訴えられたら、「記事の内容には100%自信をもっている」とコメントしていればいい。編集長はそのうち異動するので、あとはどうなろうが知ったことではない。ハイエナよりたちの悪い勢力。

 上記の3者に、訴え役の女性など、脇役が数人いれば、ねつ造スキャンダルは “いっちょうあがり” というわけだ。

 ちなみに、当時私が『fooga』で書いた記事のことが横浜市議会でも取り上げられたことがある。地方議会というのはそんなにヒマで議題がないのか、と心底驚いた。

 

 ところで、『政治家の殺し方』にはマスコミのいいかげんさが克明に描かれているが、私も同感だ。以前こんなことがあった。

 2010年3月、それまで8年間発行してきた『fooga』を廃刊にした。その直後、Y新聞宇都宮支局の記者が取材にきた。私は廃刊の理由を、「『Japanist』に力を傾注するため」と何度も言ったのだが、記事は「採算が合わず、『フーガ』撤退」というような内容になっていた。採算のことを何度も訊かれたので、「そもそも利益を目当てに始めたことではない」と答えた。それでも執拗に訊いてくるので、「労力に比べれば、利益はないに等しい」と答えた。若干の利益が出るようになっていたが、実際、編集に費やす労力に比して得るものとしたら割に合わなかった。しかし、そのことが廃刊の理由ではないと何度も言っにもかかわらず、あたかも採算が合わなかったから廃刊したという書き方だった。その後、数人から「結局、採算が合わなかったから廃刊したのですね」と言われてしまった。経営者としては、じつにまっとうな理由だが、取材で答えた内容とまるで違った記事になっていることに無性に腹が立った。記事が出た日、その記者に電話をして抗議した。すると、「デスクの判断で……」と返答がしどろもどろだ。結局、はじめに答えありきで取材をしているのはみえみえだった。それが天下の大新聞の実態である。週刊誌など推して知るべしだ。

 それにしても、考えることがみみっちい。セコイ。自分たちの頭の中に、「採算」という尺度しかないので、そういう記事になってしまうのだろう。私はせいぜいそんな話題だったからいいようなもの、中田氏が書かれた歪曲記事は、「これが新聞の記事か?」というようなレベルがたくさんあり、それが「政治家の抹殺」に一役かっていたというのが恐ろしい。新聞はもう少し良識があるものだと認識していたので。

 反社会勢力がねつ造スキャンダルを今後も続けられるかどうかは、ひとえに国民の意識にかかっている。ぜひともこの本を読み、社会の構図を理解してほしい。

http://www.amazon.co.jp/政治家の殺し方-中田-宏/dp/4344020855/ref=sr_1_5?ie=UTF8&qid=1319699846&sr=8-5

(111027 第291回 写真は『政治家の殺し方』中田宏著・幻冬舎)

 

 

 

 

 

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